研究課題/領域番号 |
15406026
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
那須 民江 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10020794)
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研究分担者 |
上島 通浩 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (80281070)
市原 学 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (90252238)
柴田 英治 愛知医科大学, 医学部, 助教授 (90206128)
王 海蘭 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
13,300千円 (直接経費: 13,300千円)
2005年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2004年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2003年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
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キーワード | トリクロロエチレン / 曝露濃度 / 重症皮膚肝障害 / 中国 / 6型ヒトヘルペルウイルス / 感染症 / 症例-対照研究 / 再活性化 / 6型ヒトヘルペスウイルス / 抗体価 / 全身性皮膚・肝障害 / 薬剤性過敏性症候群 / HHV-6 / 発熱 / 皮疹 / 脱脂洗浄作業 / アジア諸国 / 肝障害 / 皮膚障害 / 感受性因子 / 尿中代謝物 / 個人曝露量 / 疫学調査 |
研究概要 |
1990年代後半になって、中国、台湾、フィリピン、韓国のトリクロロエチレンを使用する職場で、重症型の皮膚・肝障害が発生し、多数の死者が生じて深刻な問題になっている。患者は発熱や好酸球増多を伴い、発症率は作業者数百人から千人に1人、曝露開始から発症までの期間が約30日である等、遅延型アレルギー反応の特徴を呈している。原因物質(トリクロロエチレンかそれとも不純物か)、発症の量-反応関係や感受性決定因子などは未解明で、現在は病気の早期発見に努めるほか対策がなく、予防対策の確立が求められている。トリクロロエチレンはかつて日本でも多量に使われた溶剤であるが、同様な患者発生の報告はきわめて限られ、なぜ近年になってこれらの国々で多くの患者が発生するようになったのかは謎である。 私たちは平成15年度から中国広東省広州にある広東省職業病防治院と共同研究を開始した。本研究では、15,16年度は、患者の発生が最も多い中国広東省で2002年3月以降に発生した患者の曝露の実態(使用溶剤の詳細な分析)や病態を明らかにした。その結果、患者は予想より高濃度のトリクロロエチレンに曝露されていることが明らかとなった。患者発生工場で働くTRI曝露作業者の個人曝露濃度とTRI尿中代謝物量も測定した。半数以上の調査対象作業者の個人曝露濃度は日本産業衛生学会が勧告している許容濃度を超えており、これらの者のTRI尿中代謝物量も多いことが判明した。特に、トリクロロ酢酸の蓄積が多いことが注目された。17年度は59名患者と性・年齢をマッチさせた対照群を設定し、疾病発生のメカニズムを解明するための症例-対照研究を行った。この研究では特にウイルス感染との合併症に焦点をあてて調査した。この調査ではHHV6の抗体価が256倍以上の者をHHV6陽性者としたところ、患者群では59名中14名が陽性であった。しかし、対照群では陽性者はいなかった。 これらの結果は、トリクロロエチレンによる重症型の皮膚・肝障害の患者にHHV6の再活性化が何らかの形で関与していることを示す。
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