研究課題/領域番号 |
15406034
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
葛原 茂樹 三重大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70111383)
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研究分担者 |
成田 有吾 三重大学, 医学部附属病院, 助教授 (50242954)
小久保 康昌 三重大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (60263000)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
9,700千円 (直接経費: 9,700千円)
2005年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2004年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2003年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
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キーワード | 筋萎縮性側索硬化症 / パーキンソン痴呆複合 / 神経難病 / 食生活 / 居住環境 / パーキンソニズム / 痴呆 / 認知症 |
研究概要 |
平成15年度中に仏領西インド諸島グアデループ島に調査旅行を予定していたが、受入れ先のDr.Caparros-Lefebvreが家庭の都合で急遽フランス本国に帰国したため予定を中止せざるを得なくなり、平成17年7月17日-22日に米国フィラデルフィアでの学会参加とペンシルバニア大での研究打合せを兼ねて、グアデループ島で予備調査を行なった。後任者のグアデループ大学Lannuzel教授との交信により調査が実現し、葛原・小久保の両名は平成18年1月14日-23日にグアデループを訪問し、附属病院においてカリブ型非定型パーキンソニズム患者17名を実際に診察することができた。その結果、以下のことが判明した。 1.カリブ型パーキンソニズムは、無動症と自発性喪失を特徴とするが、筋強剛、振戦、すくみ足などの症状は極めて軽微であり、パーキンソン病(PD)、進行性核上性麻痺(PSP)、紀伊半島とグアムのパーキンソン痴呆複合(PDC)のいずれとも異なる。病理所見はPSPに似る。 2.原因としてAnnonaという植物の果実と葉(ハーブ茶)が原因と考えられているが、中止しても改善しない症例が多い。 グアム島では2005年に12月2-4日にわたって、米国研究プロジェクト主催の「グアムと西太平洋の神経変性疾患シンポジウム」が開催され、葛原は招待講演者として「ALS-Parkinsonism-Dementia of the Kii peninsula, Japan」のテーマで、紀伊風土病の臨床と病理、1950-2000の疫学について講演した。グアムの研究者とは従来から交流があったが、シンポジウムを通じてグアムと紀伊の疾患の類似と相違も明らかになり有意義であった。 この他に、グアムの原因を藍藻類が生成する神経毒アミノ酸(BMAA)とする環境植物学者Cox博士(米国)や、京都大学とチェンデラワシ大学(インドネシア・パプア)との研究協力事業である西ニューギニア神経難病調査隊への参加(平成18年1月)を通じて、世界各地の地域集積性神経風土病調査を通じての原因研究は着実に進展している。
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