研究概要 |
セルラ移動体通信システムを効率的に設計するための統一的手法として,本研究では「Light traffic approach」による設計手法の考案とその有効性の確認を中心課題として研究を進めてきた.light traffic approachとは,着目するセルの状態を(セル内の客数,セル内の状態)という2成分の確率過程の組み合わせで表現したとき,セル内の客数が出生死滅過程で表現できることと,セル内の状態がlight trafficの極限を用いた近似により比較的容易に計算可能であることを利用したシステム設計法である. この設計手法の効果について詳細な評価を実施し,有効性を確認した.また,より一般的な状況として,ユーザに優先度が付与されたシステムに対してlight traffic approachによる設計手法の考案とその有効性の確認を行い,厳密解との詳細比較を行った.その結果,優先権の扱いが異なるいくつかのモデルにおいて,一般的なトラヒック条件下であっても同アプローチが有効であり,実システムの設計のための統一的なアプローチとなりうることを確認した..
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