研究概要 |
本研究課題では,目的とする「等高線地形図から高分解能DEMを自動作成する実用化システム」を開発することに主眼を置いて,以下の通り研究を進めた。 (1)多数の適用実験を踏まえて,実用化システムにおける処理アルゴリズムの性能改善を行う。 (2)システムの統合化を行い,ユーザ・フレンドリーなトータルシステムとしての実現を図る。 (3)実利用上で必要となる高精度DEMの整備と各種地形特徴を効率的に抽出するためのDEM処理アルゴリズムの開発を行う。 (1)については,生成DEMに残存する不自然な段差,瘤,凹みなどを解消する後処理法としての拡張型Grimson正則化法と選択的平滑化法の改良を行った。さらに,市販の地形図では図面の境界同士で若干のずれを発生しており,小規模DEMを張り合わせて統合DEMにまとめる上での問題となっているが,その対策についても検討を行った。その他,適用実験を多角的に実施しながら,実用化システムを実現するための各種処理アルゴリズムの性能改善作業を実施した。 (2)については,グラフィック・ユーザ・インターフェイス(GUI)を駆使したユーザ・フレンドリーな処理システムとしての実現化作業を行った。さらに,多数の適用実験による使用経験を踏まえて,一層使い易いシステムとしてのトータルシステム化を図った。 (3)については,実利用上で必要となる高精度DEMの整備を行った。また,地形の斜度と方位,流域部,尾根部,谷部などの各種地形特徴を効率的に抽出する処理アルゴリズムの開発に着手し,その検討作業を行った。 今回の研究開発によって,「等高線地形図から高分解能DEMを自動作成する実用化システム」は基本部分が完成し,実利用できる状況に至った。今後は,本システムの拡充を図るとともに,本システムを用いた地理情報処理に関する各種の応用研究を推進して行きたいと考えている。
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