研究概要 |
複数枚のカラー画像から抽出したカラー濃度値の出現頻度は平面部分や緩やかな局面部分は同じ色の出現回数が多く,色と色の境界であるエッジ部分はその出現回数が少ないという性質を持っている。そこで,カラーヒストグラム空間上で,カラー画像の各画素のカラー値をその出現回数で置き換えた画像を用いることにより,様々な画像処理を行うことができる。本研究はこの性質を用いたカラー画像の特徴抽出法とその応用技術の開発を目的とし,15〜17年度にわたって次の研究を行った。 (1)カメラの焦点合わせ法 カメラの焦点が合ったとき,画像は最も鮮明になり,色数が最大になるため,濃度値の出現頻度は最も少なくなる。この性質を用いて,カメラの合焦点を開発した。 (1)本来一様色であるべき領域中に存在する見つけ難い色むらの検出法 色むらを含む画像の場合,色むらの部分は他の部分に比べると同じ色を持つ画素の数が少ないという性質を有するため,この性質を用いて,色々な種類の色むらを検出する手法を開発した。 (2)テクスチャ性のない表面へのステレオ画像の対応点探索手法 テクスチャ性がない物体表面にもわずかの色むらや汚れが存在するため,それらを少数頻度画像で抽出して対応点探索を行い,距離情報を高精度に取得する方法の研究を行った。 (3)カラーテクスチャ画像の高精度領域分割法の開発 カラーテクスチャ画像の領域分割の際,テクスチャエッジを高精度に抽出するために,カラーヒストグラム特徴を用いる方法を開発した。 (4)ディジタルカメラ画像の露出補正法を開発した。 逆光下で撮影されたディジタル画像や極端に明るい部分と暗い部分が存在するディジタル画像を実際に人間が見えるような画像に補正する技術を開発した。 (5)マルチスペクトル情報を用いた欠陥検出法 マルチスペクトル分光器により得られた情報に,頻度画像の概念を適用し,人間の目では見つけ難い欠陥を検出する方法を開発した。
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