本研究では歴史年表の電子化のためのデータをXMLで定義することにより、インターネット上でのデータの検索や交換を可能とするシステムを開発した。また、学習の補助となるような資料を再利用可能なデジタルコンテンツとして作成した。研究の成果は以下の通りである。 (1)年表データのXMLの定義 一年を一つのデータとして表し、その年の西暦と歴史事象を記述することとした。記述する歴史事象は複数が許される。また、そのデータの特徴を表現するために三層のカテゴリを定義できるタグを用意した。これは電子年表表示の際に分野の変更を容易にすることに利用できる。西暦には年によるソートがたやすくできるように紀元前をマイナスとするようなパラメータを導入した。 (2)データ交換サーバーの構築 年表データをインターネット上で交換するためのサーバーを構築した。このサーバー上で必要なデータを探すための検索、並べ替え機能を開発した。これはASPとXSLTによって実現した。 (3)電子年表の開発、改良 年表データの利用を進めるためにWindows及びMac上で動く電子年表ソフトを開発、改良した。このソフトの特徴は次の通りである。 ・三つまでの分野を、並列表示でき、表示中に自由に分野を変更することが可能である。 ・自由語による検索が可能である。 ・XML文書をそのままデータとして読み込むことができる。 (4)歴史資料のデジタルコンテンツの作成 江戸期の大坂、久保田城下の絵図、秋田の古くからの玩具である八橋人形のQuickTimeVR画像、秋田の江戸期の商家を再現した三次元グラフィックスなどのコンテンツを作成した。
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