研究分担者 |
岩井 敦 (岩井 淳) 群馬大学, 社会情報学部, 助教授 (60293081)
伊藤 賢一 群馬大学, 社会情報学部, 助教授 (80293497)
佐渡 一広 群馬大学, 社会情報学部, 助教授 (10162512)
北村 純 群馬大学, 社会情報学部, 助教授 (70297175)
小竹 裕人 群馬大学, 社会情報学部, 助教授 (30292618)
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研究概要 |
電子民主主義研究における重要な鍵は、「決定と討議と情報」にかかわる情報通信技術(ICT)を活用した民主的技術を、異なる政治文化における現実の民主主義を踏まえて開発することである.本研究の目的はこの主張を具体的に展開することにある.すなわち、「決定を最終的な目的」として捉え、「決定のための討議」、「討議のための情報」という形で3要素を論理的に関連づけながら、「決定と討議と情報」にかかわるICTを活用した支援システムを開発し、実験的に評価し、日本の現状と近未来の実証的な裏付けのもとに、それらを総合して電子民主主義のジャパン・モデルを構築することにある. 主な成果は4区分すると次の通りである. 「基本的構図」については,公平な価値調整としての選好集約論だけでなく、最善な行動選択としての判断形成論も含む形で,われわれの基本的な構図を発展させた. 「決定」については,規範的に望ましいコープランド投票方式を内蔵した電子投票システムのβ版を開発した.電子投票システムをソフトウェアとして構築することだけでなく,人間組織によるその運用プロセスの問題を含めてシステムの実装上の問題点を整理した. 「討議」については,ブログを利用した討議システムを開発するための前段階として,ブログ討議の試行を行い,その結果を踏まえてブログを用いた討議の場としてどのような仕組みを提供すべきかを考察した.参加者の合意に基づく文書隠蔽が可能なコミュニケーション・システムについて,その実装上の問題を含めて整理・検討した. 「情報」については,市民のニーズ情報を収集する方法として携帯型GIS端末の有効性を,地方自治体が所有する公的情報を収集する方法として郵送による記入呼びかけとWeb上でのアンケート収集サイトの組み合わせによる有効性を,公的情報を市民に開示する方法として対面での説明と質疑応答の有効性を,それぞれ実験的に検証した.
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