配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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研究概要 |
まず、推定関数の正規化変換に基づくセミパラメトリック推論に関する理論的研究、および数値的考察を行った。特に信頼区間の構築について種々の結果を得ることができた。データに含まれる統計的情報を信頼区間の形で表現することは薬効評価などの実験科学において広く利用されている。本研究では、従来の正規化変換の理論をセミパラメトリック推論の枠組みに拡張し、推定量が非線形推定方程式によって陰に定義されることを前提として、推定方程式を解くことなく、不偏推定関数に対して直接正規化変換を施すことによって、いくつかの2次の精確性を持つ信頼区間の構成法を提案した。得られた成果はJournal of Statistical Planning and Inference,2006,136(3)に出版された(種市信裕氏との共著)。 次に、報告者によって提案された擬似尤度の理論(Wang,1999)を更に発展させ、特に撹乱母数が存在する場合の擬似尤検定の漸近的性質などについて系統的に調べた。主な研究成果がScandinavian Journal of Statistics,2006,33(2)に出版された。また、積分過程とブートストラップ方を用いた、多次元分布の同等性の検定方法提案し、得られた成果をCommunications in Statistics-Theory and Methods,2006,35(3)に出版された。 最後に、最終年度ではそれまでに得られた研究成果を纏めつつ、更に新たな展開として、fMRI(機能的磁気共鳴画像法)に基づく統合的脳機能の研究にも取り組み、因果推論のための代数的アプローチを提案した。研究成果の一部を京都大学数理解析研究所講究録「Statistical Conditional Inference and Its Related Topics」(2006年3月、印刷中)に発表される予定である。
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