研究課題/領域番号 |
15500181
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
統計科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大森 裕浩 東京大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (60251188)
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研究分担者 |
和合 肇 名古屋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (00091934)
渡部 敏明 東京都立大学, 経済学部, 教授 (90254135)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2004年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2003年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | マルコフ連鎖モンテカルロ法 / 潜在変数 / 確率的ボラティリティモデル / ダイナミックモデル / ベイジアン・アプローチ / 変量効果 / ベイズ推定 / 非線形モデル |
研究概要 |
これまでマクロデータを用いた統計分析では、個人のもつ固有の特徴や背後に想定される(観測されない)ダイナミックな変動は、集計後には相殺されると考えられて無視されてきた。これに対して最近ではミクロデータの公開が促進されるようになり、パネルデータなどの個人に関する詳細なデータが蓄積・公開されてくると、集計前の個体のデータを用いたモデルが真の構造をより詳しく明らかにすることができるようになる。このような個体のもつ固有の特徴や観測されない変動を無視するとパラメータの推定値にバイアスが生じてしまうため、これらを潜在変数や変量効果として1990年代に統計推測理論に取り入れるようになった。 しかし潜在変数を考慮した最尤推定法では、多くの場合多変量の数値積分を必要としたため、高価な大型計算機を用い大規模な計算を行うか、計算精度を犠牲にして近似を行うこととなった。さらに最尤推定値の解が収束しないという問題が生じることもあり、現実には満足な推定方法を提供することができなかった。GEE・GMM法など潜在変数の存在に頑健な推定方法も開発されたがその効率性は必ずしもよいとはいえなかった。 そこで本研究では数値積分ではなく、より正確な積分方法を提供することで知られているモンテカルロシミュレーションに基づいたマルコフ連鎖モンテカルロ(MCMC)法を用いた統計的ダイナミックモデルをいくつかのモデルについて構築を行った。具体的には景気の継続時間分析、非対称性のある確率的ボラティリティモデル(混合正規分布による近似)、外国為替レートのボラティリティモデル、ティックデータを用いた株式市場のモデル,金融データの持つ裾の厚い分布のモデル,マルコフスイッチングモデルやジャンプのある誤差項を持つモデルについてMCMCによる推定の方法を提案し、各モデルで必要となるサンプリングについて、より効率的な方法を提案した。
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