研究課題/領域番号 |
15500214
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経科学一般
|
研究機関 | 島根大学 (2004) 島根大学(医学部) (2003) |
研究代表者 |
津森 登志子 島根大学, 医学部, 助手 (30217377)
|
研究分担者 |
安井 幸彦 島根大学, 医学部, 教授 (30174501)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
|
キーワード | 島皮質 / 辺縁下皮質 / 扁桃体 / 視床下部 / 孤束核 / ラット |
研究概要 |
本研究は、順行性標識法と逆行性標識法を併用し、辺縁下皮質、島皮質、および扁桃体中心核からの投射線維と、脳幹自律神経中枢のうち特に孤束核へ投射するニューロンとの分布が一致する領域を視床下部において光顕下で検索し、さらにこれらの投射線維とニューロンとの間に形成されるシナプス結合を電顕下で詳細に解析した。その結果、外側視床下部の最外側部において、辺縁下皮質線維、島皮質線維および扁桃体線維の終止領域と孤束核投射ニューロンの分布域の一致が見られた。この領域を電顕下で観察すると、両皮質線維の軸索終末部は孤束核投射ニューロンの遠位樹状突起および樹状突起棘に非対称性のシナプスを、扁桃体線維の軸索終末部は孤束核投射ニューロンの細胞体のみならず近位および遠位樹状突起にも対称性のシナプスを形成していた。次に、順行性二重標識法を用いて、視床下部外側部における島皮質および扁桃体中心核からの投射線維の収束様態を光学顕微鏡ならびに電子顕微鏡的に解析するとともに、順行性標識法とpost-embedding immunogold法を併用して、扁桃体中心核からの投射線維がGABAを含有するかどうかを電子顕微鏡にて検索した。その結果、島皮質線維および扁桃体線維の終末野は、外側視床下部の最外側部で視床下核と大脳脚を取り囲む領域においてよく一致していた。この領域を電顕下で観察すると、島皮質線維と扁桃体線維の軸索終末部が同一ニューロンの樹状突起および樹状突起棘にシナプスを形成する例が観察された。さらに、扁桃体線維の軸索終末部はGABAを含有することが明らかになった。以上の結果より、島皮質、辺縁下皮質および扁桃体中心核から視床下部外側部を介して孤束核に至る神経路が存在し、このうち、島皮質からの興奮性出力と扁桃体中心核からの抑制性出力は視床下部外側部の孤束核投射ニューロンに収束する可能性が示唆された。
|