研究課題/領域番号 |
15500247
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経解剖学・神経病理学
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
佐藤 二美 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (60205961)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2004年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2003年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 上丘 / 大脳基底核 / 視床 / 軸索投射 / 単一軸索 / 運動制御 / BDA / 大脳皮質 / 軸索分枝 |
研究概要 |
大脳基底核は、大脳皮質からの諸情報を統合し、視床へと情報を送ることで、運動制御に関わっている。この大脳皮質-大脳基底核-視床系に対し、大脳皮質を経由せず、直接脳幹の諸核を経由して運動制御に関わる経路が存在する。このうち黒質網様部から入力をうける上丘を介する系の形態学的な解析を行った。Nembutal混合麻酔下のネコの上丘深層に、biotinylated dextran amine (BDA)をごく微量に注入し、生存5日後に、基底核から脳幹にかけて、50μmの凍結連続切片を作成した。標識を可視化した後、Camera Lucidaによって、切片越えをしながら上丘ニューロンの単一軸索の走行を追跡し、軸索側枝分岐様式を解析した。標識された上丘ニューロンの軸索は、下行性に脊髄・脳幹に向かうが、全ての例において、この途中で、視床に向かう上行性の枝が分岐していた。この上行枝は中脳網様体に広範な枝を分岐し、神経終末を分布した後、間脳にはいる。間脳では、背腹二方向に向かう枝にわかれていた。このうち背側に向かう枝は、主として視床髄板内核群(正中中心核、束傍核、外側中心核)、背内側核などに投射していた。腹側に向かう枝は、腹側視床の不確帯やForel野に分布していた。解析した軸索のうち背腹両方に枝を出すものが約半数を占め、3分の1が腹側の枝のみ、残りが背側の枝のみという結果であった。以上の結果から、上丘深層のニューロンは、下行性に投射して外眼筋や頭頚部筋の運動ニューロンを支配し、眼球運動・頚部の運動の調節に関わると同時に、上行性に視床の髄板内核群、特に視床正中中心核-束傍核複合体(CM-Pf)に投射があることが明らかになった。またラットを用いて同様の注入実験を行ったが、同一の結果が得られた。このCM-Pfが線条体に投射することはよく知られているので、従って基底核からの出力が、新たに上丘-視床を介して、基底核内にフィードバックされうる可能性が示唆された。
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