研究課題/領域番号 |
15500275
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
|
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
武田 泰生 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教授 (60245462)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2004年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2003年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | 神経接着分子 / コンタクチン / NB-3 / シナプス / PSD-95 / コンタクチン関連蛋白質 / Two-hybrid系 / carboxypeptidase E / Two-Hybrid System / ミエリン / PDZ / GPI-アンカー型 |
研究概要 |
本研究では、免疫グロブリンスーパーファミリーに属する神経接着分子で、glycosyl phosphatidilinositol(GPI)-アンカー型のコンタクチン分子群に焦点を当て、神経系の発生から老化に至る一連の過程で、これらGPI-アンカー型神経接着分子が神経発生や老化過程において果たす生理的役割、ならびにシグナル伝達の場であると考えられているlipid raft(ラフト)における存在意義について検討することを目的とした。 本研究から、以下のことが明らかとなった。 1)脳シナプトゾーム画分にlipid raftの存在を認めた。 2)6種類認められているコンタクチン分子群の中で、検討したコンタクチン、TAG-1、NB-3はシナプトゾーム由来のラフト画分(後シナプス肥厚部)に存在することが明らかとなった。 3)NB-3およびコンタクチンはシナプス後肥厚部において、間接的にPSD-95と複合体を形成し、シナプス形成あるいはシナプス伝達に関わる可能性が示唆された。 4)大脳皮質由来の後シナプス肥厚部においては、加齢に伴い、肥厚部を構成するコレステロール含量が上昇する一方で、逆に存在する蛋白質量は減少することが明らかとなった。現在、加齢に伴い変動する蛋白質群の同定を行っている。 5)一方、コンタクチン分子群と同一膜上でシス型に結合すると考えられるコンタクチン関連分子群(Caspr1-5)と細胞内で結合する分子を酵母two-hybrid系を用いて探索した結果、Caspr2およびCaspr4に結合すると思われる興味深い蛋白質群が認められた。現在、in vitro translation assay、ならびにGST-pull down assay等を用いて詳細な検討を進めている。 上記結果から、コンタクチン分子群は、脳神経系の発生の過程で、時間的・空間的に棲み分けて発現しており、特に、シナプス形成や後シナプス肥厚部でのシグナル伝達に関わる機能分子群のクラスタリングに関与している可能性が示唆された。今後、これら分子群を中心とした分子複合体の形成等について検討すると共に、シナプス伝達に関わる機能的分子間相互作用について検討を進めて行きたいと考えている。
|