研究課題/領域番号 |
15500286
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 京都大学 (2004) 鹿児島大学 (2003) |
研究代表者 |
若森 実 京都大学, 工学研究科, 助教授 (50222401)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 電位依存性 / チャネル / カルシウム / ATP / P2X / パッチクランプ / 脊髄小脳変性症 / SCA6 |
研究概要 |
P型Ca^<2+>チャネルをコードするα_<1A>サブユニットに変異が入り、ヒトでEpisodic Ataxia-2、家族性偏頭痛、遺伝性脊髄小脳変性症spinocerebellar ataxia 6 (SCA6)等の中枢神経疾患が引き起こされる。また、運動失調症を呈するtottering(tg)、leaner(tg^<la>)及びrolling Nagoya(tg^<rol>)マウスもP型Ca^<2+>チャネルをコードするα_<1A>サブユニットに変異があり、プルキンエ細胞のP型Ca^<2+>チャネルの活性が低下していることを明らかにするとともに、変異を入れたcDNAを培養細胞に導入しプルキンエ細胞での性質変化を再現した。更に、P型Ca^<2+>チャネルの活性と小脳失調の程度の間には逆相関があり、これらの遺伝子の変異によるCa^<2+>チャネルの活性低下がマウスの運動失調症を起こしていることが判明した。tg^<rol>マウスのP型Ca^<2+>チャネルの活性は低下し、平行線維-プルキンエ細胞間シナプスのEPSCは正常マウスに比べtg^<rol>1マウスで小さくなっているが、登上線維-プルキンエ細胞間のEPSCは予想に反して大きくなっていることを我々は報告した。この原因の一つはプルキンエ細胞体上のAMPA受容体のグルタミン酸に対する感受性が亢進していることであると証明し、P型Ca^<2+>チャネルの活性がシナプス下膜のAMPA受容体サブユニットの構成を制御している可能性を示した。 また、新たに見つかった運動失調を示すマウスの電位依存性Ca^<2+>チャネルの変異を電位依存性Ca^<2+>チャネルの副サブユニットであるβサブユニットを安定発現させたbaby hamster kidney (BHK)細胞に一過性に発現させ、変異によるチャネル機能の変化を電気生理学的に検討した。電流密度には変化が無かったが、活性化曲線と不活性化曲線が有意に過分極側に移動していた。これらの変化が運動失調とどう繋がるのかは病態マウスを手に入れて解析する必要がある。しかし、本年度中にこのマウスを入手することができなかった。このマウスを至急入手し小脳プルキンエ細胞を急性単離し本マウスのチャネル機能の解析を進めたい。 また、中枢神経系で神経伝達物質として働いていることが示唆されているATPの受容体の解析も行った。ATP受容体はイオンチャネル直結型のP2X受容体と7回膜貫通型受容体P2Yに分けられる。本研究ではP2X受容体が視床下部の弓状核に発現し陽イオンチャネルを形成し、電気生理学的及び薬理学的検討から受容体のタイプはP2X_2 homomultimer又はP2X_2/P2X_6 heteromultimerあることを明らかにした。
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