研究課題/領域番号 |
15500290
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
稲瀬 正彦 近畿大学, 医学部, 教授 (80249961)
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研究分担者 |
生塩 研一 近畿大学, 医学部, 助手 (30296751)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2003年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 条件付運動学習 / 大脳皮質 / 前頭連合野 / 霊長類 / 神経細胞活動 / 大脳基底核 / 刺激応答 / 連合学習 / 運動学習 / 神経生理学 |
研究概要 |
我々は、日常の様々な状況において、その場に応じた適切な運動を選択し遂行している。適切な運動の選択と遂行は、経験を通して適切な運動の選択を学習することにより可能となっている。このような条件付運動学習の神経機構について、我々はサルを用いた電気生理学的な実験を行い、大脳基底核の出力部の淡蒼球内節の神経細胞が学習関連活動を示すことを明らかにした。大脳基底核と大脳皮質とは、関連する領域がループ回路を形成し、連関して働くと考えられている。そこで、本研究では、この条件付運動学習課題を遂行中に、サル大脳皮質前頭連合野から神経細胞活動を計測し神経細胞活動と課題との関連を解析した。前頭連合野は、機能が異なると考えられる複数の領域に分けられる。その中で、神経解剖学的な研究により、淡蒼球内節の背内側部から入力を受けることが示されている、大脳皮質内側面のArea 9mを記録部位とした。実験には数ヶ月間の訓練により条件付運動学習課題を正しく遂行できるようになったサルを用いた。 前頭連合野Area 9mでは、手がかり刺激に応答する神経細胞活動が記録された。手がかり刺激に対する応答は、刺激が新奇であるか既知であるかにより変化した。一群の神経細胞は、新奇の手がかり刺激に選択的に応答した。すなわち、既知の手がかり刺激のみが呈示される対照条件では応答がみられず、学習条件でも既知の手がかり刺激には応答せず、新奇の手がかり刺激のみに応答した。別群の神経細胞は、既知の手がかり刺激に選択的に応答した。すなわち、対照条件では既知の手がかり刺激に応答し、学習条件でも新奇の手がかり刺激には応答せず、既知の手がかり刺激のみに応答した。これらの結果は、条件付運動学習を成立させるために重要な手がかり刺激が新奇であるか既知であるかに関する情報が、前頭連合野Area 9mで処理されている、あるいは表現されていることを示唆する。
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