研究課題/領域番号 |
15500300
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験動物学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
大杉 剛生 熊本大学, 生命資源研究・支援センター, 助教授 (00211102)
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研究分担者 |
渡邊 俊樹 東京大学, 医科学研究所, 教授 (30182934)
浦野 徹 熊本大学, 生命資源研究・支援センター, 教授 (90101899)
山口 一成 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (20128325)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | HTLV-I / ATL / mice / SCID mice / animal model / HTLV-1 |
研究概要 |
成人T細胞白血病(adult T-cell leukemia : ATL)は、ヒトT細胞白血病ウイルス(Human T-cell leukemia virus type I ; HTLV-I)によって引き起こされる。In vitroにおいては有望な新規薬物が多数検討されているが、in vivoにおいてはその効果検定のための良い動物モデルが確立されていない。そこでATLモデルマウスの開発を意図した。 1.SCIDマウスの実験系 我々は従来のSCIDマウスを用いたATLモデルを改良した。5週齢のNK活性を低下したSCIDマウスにATL細胞株、TL-Om1、MT-1、MT-2およびHUT102を腹腔内投与したところ、TL-Om1およびMT-1では腫瘍の形成がみられないか、形成しても小さかったがMT-2およびHUT102では、高い死亡率、腫瘍形成および各臓器への投与細胞の浸潤がみられた。このモデルを用いて新規NF-kB阻害剤DHMEQの効果を判定したところ、死亡率、腫瘍形成、臓器への浸潤は有意に低下した。さらに形成された腫瘍には高頻度のアポトーシスを認めた。以上のことから、MT-2およびHUT102細胞を用いたSCIDマウスの系が治療薬の効果検定のスクリーニングに使用できると考えられた。 2.HTLV-I Tax遺伝子導入マウスの実験系 我々はすでにT細胞特異的にHTLV-I Taxを発現するトランスジェニック(Tg)マウスを開発した(平成12-14年度科学研究費)。これらは2系統あり、1つは胸腺特異的にTaxを発現する系(proximal)と末梢T細胞に特異的に発現する系(distal)である。この2系統のうちproximal-Taxマウスには皮膚病変が観察されたが、Tax発現との関連は明白ではなかった。一方、distal-Taxマウスにおいて、T細胞のリンパ腫が観察された。このマウスは脾腫、肝臓の腫大およびリンパ腫が特徴的で、組織学的には、びまん性の大型のリンパ腫であり、脾臓,リンパ節,肝臓,胸腺 骨髄,腎臓,肺,髄膜、および皮膚ヘリンパ腫細胞の浸潤を認めた。これら腫瘍細胞はCD4あるいはCD8陽性の成熟T細胞であり、Taxによって成熟T細胞の腫瘍化をみたはじめてのマウスである。
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