研究課題/領域番号 |
15500317
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
多田 宏子 岡山大学, 工学部・生物機能工学科, 助手 (60271061)
|
研究分担者 |
山田 秀徳 岡山大学, 工学部・生物機能工学科, 教授 (80037613)
妹尾 昌治 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (90243493)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | ドラッグデリバリーシステム / 分子標的 / 人工ウィルス / 制癌剤 / 蛋白質工学 / タンパク質工学 |
研究概要 |
(1)モデル蛍光化合物(カルセイン)を、本研究のバイオナノ粒子に封入した後種々の培養細胞株培養液に添加したところ、カルセインはヒト肝癌細胞株特異的に導入された。この結果は、バイオナノ粒子の低分子化合物の標的細胞特異的送達用ベクターとして有用性を示すものである。 (2)低分子薬剤を効率良く標的細胞に送達するためには、粒子内薬剤封入量を多くする事が要求される。そこでまず、カルセインをモデル薬剤として粒子内の薬剤封入量測定系を設定した。この測定系を用いて、封入操作(エレクトロポレーション)時の条件検討を行ない、カルセイン封入のための至適条件を見い出した。 (3)バイオナノ粒子への薬物封入量をさらに上げるために、バイオナノ粒子側の改良も試みた。バイオナノ粒子の主成分であるL蛋白質は酵母菌体内ではモノマーであるが、従来の方法で調製したバイオナノ粒子はその精製過程で分子間ss結合を形成しポリマー化することで、粒子内へ薬物導入しにくい状態になっていた。そこで、粒子形成に不要なCys残基を化学修飾によりblockした粒子および不要なCys残基8個を置換した変異体粒子を調製したところ、薬物封入量を1.7倍および2.5倍増量できたことより、不必要なSS結合抑制が薬物封入量増大に有効であることが示された。薬物封入効率の良い改良型バイオナノ粒子変異体を調製できた。 (4)(3)の改良型バイオナノ粒子と(2)の至適封入条件を用いて、抗癌剤(パクリタキセル)を封入したバイオナノ粒子を調製した後、標的細胞(ヒト肝癌細胞株HepG2)に添加した。その結果、抗癌剤単独よりも約5倍強い細胞増殖阻害活性を示した。 以上により、バイオナノ粒子の抗癌剤の標的細胞特異的伝達のキャリヤとしての有用性が証明された。
|