研究概要 |
この4年間、乳幼児の四足歩行(四つ這い、高這い)をDVカメラにて縦断的に記録し、その歩容の個体発達過程をHildebrand(1966)の歩容グラフ上に記述することを試みた。目標とした7歳以上まで継続できたのは3名、5歳まで継続できたのは2名、3歳までは3名であった。以下結果の概略を記す。 まず大半の歩容はLateral Sequence(LS)のDiagonal CoupletsからTrot, very slow walkからmoderate walkの領域内で生じた。 四つ這い開始当初の歩容は、Hildebrandが四足歩行の源泉とみなしたLS(DC), very slowの領域に分布した。以後速さを増しながらTrotに移行し、二足歩行開始頃はTrot, moderateの領域で熟達した四つ這いを行なった。二足歩行移行後は一時退行したが、2歳頃からまた速くなり、3歳頃には二足歩行開始頃の四つ這いを行なった。その後Diagonal SequenceとPaceの領域に向かうような二極分科を示すと思われ、その傾向は4〜5歳頃に推測されるような兆しを見せ、6歳頃には判明するのではないかとの新しい知見を得た。 高這いについては、それを必然的な移動手段として用いている乳児期の歩容は、何か規定を受けたかのように,LS(DC)の一定の範囲内にて分布したが、それ意外の高這いでは,自由度の大きい這い方をしていると思われる結果であり、今のところはまだ特定の発達パタンを見い出すには至っていない。
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