研究概要 |
本研究では,我々が開発した高齢者の筋評価を目的としたフィールド型体肢横断面画像測定システムを用いて,20歳代から80歳代までの幅広い年齢層の男女を対象に大腿部および下腿部の横断面画像を撮影した。そこでえられた体肢横断面画像より機能的に異なる筋群ごとの量的な加齢変化を詳細に把握し,その結果に基づいた新たな高齢者向けの筋力トレーニングプログラムの提案を目的とした。 平成15年度には,20歳代から80歳代までの幅広い年齢層の男女を対象に,フィールド型体肢横断面画像測定システムを用いた大腿部,下腿部の各筋横断面積とそれらの筋が発揮する筋力の測定を実施したところ,同じ下肢内でも機能的に異なる筋群間では加齢に伴う筋量減少過程に違いがみられた。そして,その結果に基づいた高齢者向け筋力トレーニングプログラムを立案した。 平成16年度には,立案された筋力トレーニングプログラムを高齢者に対して8ヶ月間実施し,そのトレーニング効果について検討した。その結果,大腿部筋量の増加や膝関節伸展筋力の向上がみられた。本研究で提案したプログラムは,筋力トレーニングを中心としたものであったが,体重,体脂肪率,ウエスト,ヒップなどに減少傾向がみられるという興味深い結果がえられた。現在もトレーニングプログラムについては検討中であるが,今後は本研究のように体力測定結果に基づいて個々人に対応したトレーニングプログラムをさらに開発していく必要があると思われる。
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