研究概要 |
平成15年に,総務省統計局「平成3(1991)年社会生活基本調査」および「平成13(2001)年社会生活基本調査」データの目的外使用申請が許可され本研究に関連する集計を行った。本研究では,その集計結果を用いて,共働き世帯と非共働き世帯の夫妻の生活時間配分について,主として次の3点について分析した。 (1)平成13年調査のデータを用いて,共働き世帯の夫妻に加えて,親と子どもを含めた家族成員のアンペイドワーク時間を分析した。主な結果は次のとおりである。a)親のアンペイドワーク時間は両親が同居しているほうがひとり親より長く,共働き世帯のほうが非共働き世帯より長い。b)子どものアンペイドワーク時間のジェンダー差は既存研究と同様女子のほうが男子より長いが,全体的に子どものアンペイドワーク時間は夫よりも短く,共働き世帯のほうが長いという傾向は見られない。 (2)平成3年調査のデータと1992年にカナダ統計局が実施した生活時間調査データを用いて,睡眠時間の比較を行った。主な結果は次のとおりである。a)日本においては有職夫の平日の睡眠時間が有職妻,無職妻の睡眠時間より長く,カナダにおいては有職夫の平日の睡眠時間が有職妻,無職妻の睡眠時間より短い。b)日本では,夫より無職の妻,無職の妻より有職の妻のほうが起床時刻が早く,カナダでは,夫より有職の妻,有職の妻より無職の妻のほうが起床時刻が遅い。 (3)平成13年調査のデータを用いて,日本における同一世帯の夫妻を対象とした睡眠時間の分析を行った。主な結果は次のとおりである。a)平成13年においても,平日の夫の睡眠時間は妻よりも長い。b)起床後2時間の家事労働時間は,夫2分(共働き・非共働きとも),共働き妻54分である。
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