研究課題/領域番号 |
15500523
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生活科学一般
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研究機関 | 新潟医療福祉大学 |
研究代表者 |
入江 建久 新潟医療福祉大学, 名誉教授 (30077177)
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研究分担者 |
鈴木 晃 国立保健医療科学院, 建築衛生部, 健康住宅室長 (20187701)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 室内温熱環境 / 社会的入院 / 在宅ケア / 要介護高齢者 / 寒冷地 / 暖房 / 住居温熱環境 / 在宅介護 / 豪雪・寒冷地 / 要介護者 / 室内温度 |
研究概要 |
本研究は、寒冷地の冬季にみられる社会的入院、いわゆる「越冬入院」(老人保健施設への入所を含む)について、その居住環境要因を検討し、寒冷地の在宅ケア環境改善の基本方針を得ることを目的とする。 このために、新潟県南魚沼市の介護保険居宅サービス利用者を主対象とし、北海道本別町、北広島市を比較地域として、「越冬入院」の出現状況、冬季の在宅生活および屋内温湿度の実態解明を課題とした。 調査の流れは以下のとおりである。 (1)主対象地区の介護支援専門員が回答する「越冬入院」の概要調査、 (2)南魚沼市の「越冬入院」と冬季も居宅介護を継続する「通年在宅」の2群についての詳細調査(生活実態と屋内温湿度測定) (3)南魚沼市の介護度の軽い「通年在宅」群の詳細調査 (4)北海道本別町、北広島市の「通年在宅」群の詳細調査 南魚沼市の居宅サービス利用者で、次の冬季に越冬入院が予測されたものは3.6%、その半数が「屋内の寒さ」を主な理由とし、これらの大半は介護度の重い事例であった。介護度の重い居宅サービス利用者がもともと少ない北海道本別町、北広島市において、「越冬入院」が予測される事例は1%前後で、これらは軽介護度の単身者等の事例であった。南魚沼市の「越冬入院」、「通年在宅」の両者間で、生活状況や住宅の実態、屋内温度では大きな相違は存在せず、総じて屋内(とくに廊下)の寒さ、排泄ケア時などの苦労が認められた。 一方、北海道本別町、北広島市の「通年在宅」事例では、築20年程度以下の住宅群とその他の住宅群で、相違が明確で、前者では外気温の相対的に高い南魚沼市の事例に比較して、居室、廊下ともに暖かさを維持していた。 暖房機器が十分に整っていない地域では、「越冬入院」という現象も散見されるが、それはその事例の物理的居住環境に見られる特徴ではなく、その地域に共通する介護上の問題をもたらしている。いわゆるバリアフリーの視点で住環境整備がなされているが、その際に暖房環境の視点も加えた検討が必要であり、さらには新築時の住宅計画にそれが反映されることが望まれる。
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