研究課題/領域番号 |
15500570
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
食生活学
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研究機関 | 武庫川女子大学短期大学部 |
研究代表者 |
高橋 享子 武庫川女子大学短期大学部, 食生活学科, 助教授 (50175428)
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研究分担者 |
木本 眞順美 (木本 真須美) 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (40108866)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2004年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 食物アレルギー / 卵白アレルゲン / 免疫寛容 / 腸管粘膜 / オボムコイド / サイトカイン / IgE / IgA / s IgA / sIgA |
研究概要 |
本研究では、(1)アレルギーラット(幼児相当)の腸管粘膜におけるアレルギー原因・タンパク質の粘膜通過性、(2)食品によるアレルギー発症の腸管粘膜組織状況、(3)アレルギーモデルラットにおけるアレルゲン食品投与による免疫寛容誘導について研究を行った。 その結果、(1)若年齢(乳幼児相当)ラットにおいて、アレルギー発症時の腸管粘膜は、未発症時の腸管粘膜に対して有意にアレルゲン・タンパク質を通過させた。また、アレルギー誘発直後より2週間後にアレルゲン・タンパク質の通過性が高くなり有意差も認められた。このことは、アレルギー誘発から1〜2週間で腸管粘膜にまでその影響が及ぶことが推察された。次に、(2)アレルギー食品によるアレルギー発症では、投与22日には皮膚に炎症が認められた。また、腸管粘膜上のバイエル板は拡大し腫れた状態であった。さらに、空腸組織では、非投与群と比較してアレルゲン投与群はゴブレット細胞や柔毛突起の崩壊が観察され、マスト細胞も有意な増加を示した。(3)アレルゲン投与による免疫寛容の誘導は、投与の継続により1L-4は減少傾向を示し、IFN-γは増加傾向を示した。また、中止群では、卵白投与を中止しているにも関わらず、IL-4産生は投与開始2週目で増加を示した。このことは卵白投与を短期間で中止すると脾細胞中のT細胞の分化・増殖がTh2細胞側に偏るが、卵白投与の継続はT細胞のTh1細胞への分化が誘導され、さらに総IgEやOM IgE抗体価の有意な低下も認められたことから免疫寛容が成立したものと推定された。 本研究から、アレルギー治療としてアレルギー症状に影響のない量で経口投与することが、免疫感作や免疫応答性の低下やアレルギー症状の低下に結びつくことが推察された。
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