研究課題/領域番号 |
15500574
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
科学教育
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
江森 英世 宇都宮大学, 教育学部, 助教授 (90267526)
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研究分担者 |
木村 寛 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (70017953)
森本 明 福島大学, 人間発達文化学類, 助教授 (60289791)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2004年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2003年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 数学教育 / コミュニケーション連鎖 / 聴覚障害児 / 創発性 / 協応連鎖 / 共鳴連鎖 / 超越連鎖 / 創発連鎖 / 聴覚障害児教育 / 数学的コミュニケーション / 数学的概念形成 |
研究概要 |
数学学習におけるコミュニケーションの連鎖は、学習者間の思考の連続性という観点から、協応連鎖、共鳴連鎖、超越連鎖、創発連鎖という4つの類型に区分される。協応連鎖は、コード操作の共有による予測可能性に基づいた協応的なメッセージの連鎖によって構成される。共鳴連鎖では、メッセージ解釈に必要となる知識は、関連性という学習者の認知により想起され、想起された知識は、互いに関連づけられることにより1つの認知的構造体へと構成される。超越連鎖は、受け手によって補完された情報が送り手の意図を超えてしまう場合に起こる。創発連鎖は、コミュニケーションに参画している学習者のいずれもが所持していなかったアイデアが、学習者の協同的行為として創発されるコミュニケーションの連鎖である。これら4つの類型は、3つの規準により区分される。第1の規準は、メッセージの解釈方法という規準である。メッセージ解釈がコードモデルに従う場合は、協応連鎖と同定され、推論モデルに従う場合は、共鳴連鎖以上のコミュニケーション連鎖に区分される。第2の規準は、メンタル・スペースの包含関係という規準である。第2発言者のメンタル・スペースが第1発言者のメンタル・スペースを超越していない場合が、共鳴連鎖であり、超越している場合は、超越連鎖か創発連鎖ということになる。第3の規準は、メンタル・スペースの構築方法という規準である。第2発言者のメンタル・スペースが既存の知識に依存している場合、第2発言者が提起するアイデアは自分自身にとって新たな発見を含んだものには成り得ず、その意味において、超越連鎖は知識の再構成をもたらすことはない。その一方で、創発連鎖では、第2発言者が生み出したメンタル・スペースは、既存知識として構成されていた知識のネットワークを超える新たな知識の再構成によってもたらされる。第3の規準によって、超越連鎖は創発連鎖と区分される。
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