研究課題/領域番号 |
15500575
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
科学教育
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鈴木 賢次郎 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (60012506)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 空間認識力 / 心的切断テスト / 図学教育 / 切断面実形視テスト / 図学 / 図形科学 |
研究概要 |
本研究代表者が提案し、図学教育と関連して国内外で広く空間認識力の評価法として用いられている心的切断テスト(または、切断面実形視テスト、Mental Cutting Test、MCTと略す。見取図で立体と平面を与え、その平面で立体を切断したときの実形を判断させるテスト/全部で25題の問題から成っている)について、コンピュータ・グラフィックスによる動的表示を用い、鉛直軸廻りに360°自由に問題を回転できるMCT-回転画像MCT-を開発・実施し、これを通常のMCTと比較した。従来の研究から、MCTは、主として、図(2次元)から立体イメージ(3次元)を生成する能力を反映しており、また、この能力は推論能力と密接に関連しているものと言われていたが、その推論過程の詳細は不明であった。本研究で実施した回転画像MCTにおいては、通常のMCTでは一方向からのみの画像により問題が提示されているのに対し、様々な方向からの画像によって問題が提示される。回転画像MCTと通常のMCTの結果を比較したところ、MCTの問題には、回転画像によって問題図形を提示することにより大幅に正解率が向上する問題群と、ほとんど正解率が変化しない問題群が存在することが分かった。これらの結果を詳細に分析することにより、MCTにおける推論過程には、i)2次元の図からの奥行き情報の推論、ii)問題図形の見えない部分の推論、および、iii)切り口形状を創成(推論)、があることを示した。また、ii)に関連して、見えない部分が見えるようになつても、それだけでは正解率の向上につながらず、iii)には、問題図形を見る方向が極めて重要な役割を果たしていることを示した。
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