研究概要 |
本研究は,インターネットを用いた学習支援教材の諸機能や着想を念頭に置き,学校内ネットワークやWWWを活用したWeb型教材を開発することを目的とした。そして,それらを用いた学習指導システムを作成し,その効果を検証した。得られた成果を以下にまとめる。 1.Web型教材コンテンツの開発に先立ち,教育の現場で教員から求められている教材について調査した。さらに,インターネットを介して提供されているWeb型教材を調査した。調査では,それらの教材の構成,展開の方略,マルチメディアの効果をはじめとした学習指導支援の諸機能を抽出し整理した。 2.調査結果を念頭に置いて新たなWeb型教材コンテンツを開発した。開発した教材はマルチメディア機能を活用したWeb型教材,シミュレーションを支援するWeb型教材,グループ学習を支援するためのWeb型教材,練習・演習を支援するためのWeb型教材などである。 3.開発したWeb型教材コンテンツを組み込んだ学習指導システムを作成し,小・中・高等学校などの教育の現場で授業を試行した。 4.Web型教材コンテンツを用いた学習指導の効果を試行した授業の結果から検証した。検証では,Web型教材をはじめとしたICTを学習指導に用いる群と,普通授業を行う群を設定し,授業を実施した。両群の事後テスト等の結果を比較した結果,検定した16件の内6件について,ICTを授業に用いた群の方が普通授業を行った群よりも優位な中間結果を得た。また,教師を対象として,ICTを用いて指導した場合と用いない場合の学習者の関心・意欲・態度をはじめとする4観点についての意識調査を行った。その結果,ICTを学習指導に用いた方が良好な回答を得た。
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