研究概要 |
(1)地域を基盤とした総合的な学習のカリキュラム開発においては「タテ連携」と「ヨコ連携」がある。前者は幼小中高による連携である。後者は家庭や地域等との連携である。地域を基盤として総合的な学習の充実化を図る上でいずれも重要な要因である。先進校への訪問調査や共同研究により,多様かつ有効な手だてを見出すことができた。 (2)文部科学省研究開発学校を中心に,小中連携を進めている先進校の研究紀要を分析し,小中の連の類型化を試みた。両者の「つながり」の要素を分析した結果,「子ども」「教師」「カリキュラム」の3つのカテゴリーとその組み合わせにより,7つのタイプが明らかになった。 (3)岐阜県関ヶ原町の3小学校と2中学校をネットワークで繋ぎ,活字や静止画像,動画など多様な情報を時間・空間を超えて発信・受容できるグループウエアを活用することで,主に,地域素材をとり上げた総合的な学習における学校,校種を越えた子どもたちの共同学習および学校,校種を越えた教師による子どもの学びに対する協働的な学習支援のシステム化を行った。子どもや教師の書き込み情報および面接調査情報から,地域を基盤とした教員研修の可能性が見いだされた。 (4)総合的な学習における小中高の連携を進めている広島県竹原市立吉名小学校・中学校および県立忠海高等学校において,授業研究を小中高の教師がワークショップ的に行うことにより,日常的・継続的な連携ができ,小中高の児童生徒が協同的に学習する単元開発が実現できた。 (5)総合的な学習のカリキュラム開発の中核になる情報教育主任に対する支援システムを徳島県三好郡内において開発・実施し,評価データより支援のあり方の有効性と課題を明らかにした。 (6)2年間の研究成果を報告書にまとめた(A4版,120頁)。
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