研究概要 |
本研究においては,(1)個別作問支援モジュール,(2)問題集作りにおける問題共有場,(3)相互出題における問題共有場,(4)協調支援モジュール,の基本設計を終了し,統合された知的協調学習支援環境のプロトタイプを実現した.以下,それぞれのモジュールについて述べる. (1)個別作問支援モジュール:本モジュールは,(a)作問インタフェイス,(b)問題診断機能,(c)誤り修正支援機能,(d)学習者モデル作成機能,より構成される.学習者モデルは,個々の学習者が作成できた問題のクラスと作成された具体的な問題によって構成される.この学習者モデルは協調支援モジュールに提供され,グループ形成に利用される. (2)「問題集作り」としての問題共有場:ここでは,複数の学習者が自分たちの作った問題を持ちより,一つの「問題集」を作成することを協調作業のテーマとする問題共有場である. (3)相互出題としての問題共有場:ここでは,二名の学習者がお互いに問題を出題しあって対戦する形の協調作業を題材とする.相手にとってなるべく難しい問題を作ろうとすることにより,作問への動機を維持するだけでなく,より幅広い観点からの問題作りが促進されることが期待できる. (4)協調支援モジュール:本協調支援モジュールは,(i)学習者モデルを利用した適切な能力レベルの学習グループの形成,(ii)問題集作りにおける問題系列診断および診断結果に基づく不具体の指摘,(iii)相互出題における審判,(iv)協調学習を円滑に進める上で必要となる問題の作成誘導,といった機能を有する.
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