研究課題/領域番号 |
15500657
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
科学社会学・科学技術史
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
中島 秀人 東京工業大学, 大学院社会理工学研究科, 助教授 (40217724)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | フック / 実験観測機器 / 起源 / 王位協会 / 航海器具 / 真鍮 / 時計職人 / 食料雑貨商 / 王立協会 / 望遠鏡 / 実験機器 / ヘヴェリウス / ロンドン科学博物館 / パリ国立公文書 / 天文観測機器 / グリニッジ天文台 |
研究概要 |
申請者は、標記研究実施のため、連合王国(主にロンドン科学博物館図書館)で4回、フランス・パリ国立公文書館で1回の史料調査を実施した。これらの研究経過で、実験機器の素材である真鍮製造技術に注目することと、実験機器を作製した職人の伝統の分析が重要であることが分かった。 それらの研究から判明したことは、フックが実験機器使用に念頭に置いた真鍮素材は、連合王国では17世紀半ばまで大陸からの輸入が主であったこと。1650年頃から、大陸からの移民の職人によって技術が移転され、17世紀後半にブリストル近郊で国内での真鍮生産がようやく本格化したことである。他方、連合王国の実験機器は、16世紀半ばに大陸からの移住者により作られ始め、その技術が英国人に伝えられた。彼らは、銅版画の製作者として地図や科学書の挿絵を得意とすると同時に、アストロラーベを含む航海器具を主に作成した。このことから、銅版画(真鍮も利用する)の技法が、実験機器作成に生かされていったと推定される。彼らは当初、変則的に食料雑貨商ギルドに所属し、時計職人ギルドが1631年に設立されると、徐々に時計職人ギルドに移っていった。 従って、フックの実験機器技術は、研究開始前に予想したロンドンの時計職人の伝統と関係はするが、むしろ、航海器具も手がけた大陸の銅版画作製者の技術がまず連合王国に伝わり、それが時計職人の伝統と融合して形成されたものに起源をたどれると考えられる
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