研究概要 |
リモートセンシングデータと水質観測値の分析から,諏訪湖における夏季の2次元的な水質分布および浜名湖・猪鼻湖の水質分布について以下の知見が得られた。 諏訪湖においては「懸濁物質量,クロロフィルaが大きい所では,透明度が小さく,表層水温は大きい」,「懸濁物質量,クロロフィルaが小さい所では,透明度が大きく,表層水温は小さい」という分布パターンが,主成分分析により,12観測日中7日間で抽出された。2002〜2006年の多くの水質観測日において,懸濁物質量,クロロフィルa,透明度間に相互に有意な相関関係があり,諏訪湖では,懸濁物質量は主に植物プランクトンを起源としていると言える。 LandsatTM/ETM+の8シーン中,諏訪湖内部のBand4の標準偏差が相対的に大きい2日分のLandsat DN値の主成分分析から,第1主成分はBand1〜Band4と,第2主成分はBand6と最も相関があり,第1主成分がクロロフィルa量,懸濁物質量,透明度の分布を,第2主成分が水温の分布を説明すると考えられる。第1主成分は,アオコの発生域と関連すると推察される。Band6と他のバンドとの関係は一定ではない。 浜名湖,猪鼻湖の水質については,水質データの収集分析を実施し,浜名湖水質の年変化・経年変化および猪鼻湖における透明度の分布傾向を捉えることができた。 諏訪湖環境解析とモニタリング用に,諏訪湖表層観察用ライブカメラ画像,2006年7月豪雨の諏訪湖の画像,ヘリからの諏訪湖画像を含む「諏訪湖画像のデータベース」を作成し,Web上に公開した。
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