配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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研究概要 |
本研究では,1次元反応系溶質輸送モデルについて,土壌水および地下水のような地下環境中での溶質の輸送と化学反応を新たにカップリングすることで検討された.溶質輸送の計算には,Constrained Interpolation Profile法いわゆるCIP法を適用した.ここで検討した数値モデルは,鉛汚染土壌の酸洗浄数値シミュレーションに適用した.本研究での提案モデルに基づく解法の利点として,コンピュータへの計算負荷が低いこと,および計算アルゴリズムが簡便であることが挙げられ,このことは,考慮する化学種の増減,および溶液中の錯体形成反応や溶解沈殿反応などの他の反応系への拡張に有効であると考えられる.さらに,本数値解法の適用例として,重金属汚染土壌の酸洗浄に及ぼす流れ場の影響評価について検討を加えた.本解法によれば,酸の注入位置や流出位置によって,対象領域内のどの部分の洗浄に効果があるのかを予め評価できることが分かった. また,溶質輸送の基礎式である移流分散方程式を,反応系溶質輸送で適用した特性曲線法Method Of Characteristics(MOC)および前述のCIP法により解析する場合の精度について,室内実験結果と比較検討した.ここでは,溶質輸送計算の妥当性の検討のために,被圧および不圧地下水中における塩水侵入実験による検討を加えた.CIP法はMOCと比較すると若干精度で劣っているが,塩分の分散混合域を十分によく再現している.特に,CIP法では計算効率が高いことがわかった.本研究で検討した解析モデルは,地下環境における多成分溶質輸送メカニズムの理解に有用といえる.
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