研究課題
基盤研究(C)
森林の構造や二酸化炭素吸収・固定量推定のためのバイオマスを求めるために、従来から人工衛星データなどを利用したリモートセンシングの研究が行われている。地上調査により正確な森林構造やバイオマスを求めるには、樹木の器官毎のバイオマスや層別のバイオマスを測定することが必要であるが、このためには多大な時間と労力を必要とする。これに対し、Scanning Lidar装置による森林の3次元計測データを用いることで、非接触で樹木の胸高直径など森林の3次元構造に関する情報を高精度に推定できる可能性が十分にある。本研究では、Scanning Lidarを用いて森林内部を3次元計測したデータから森林の3次元構造を推定する手法の開発を行うことを目的とした。研究の対象とした地域は富士北麓に位置する剣丸尾溶岩流上のアカマツ林である。まず、地上での生態学的計測として、森林生態系の炭素収支測定の中で、植物による生産と枯死を生態学的な手法によりどのように定量化するのか、またタワーフラックス観測との連携を視野に入れて、生態学的な手法にどのような問題点があるのかについて整理した。これに対し、リモートセンシングによる森林の3次元構造を得るための解析手法について検討を行った。リモートセンシングを利用した土地被覆分類によって、剣丸尾アカマツ林を内包する富士北麓地域の森林生態系をアカマツ林、ヒノキ・ツガ林、落葉広葉樹林、カラマツ林、針葉樹林に細分して各種生態系の構成比とその現存量の推定を行った結果、対象地域の2002年における森林生態系全体の現存量は3.0×10^6tCと見積もられ、単位面積当たりの現存量は97tC/haと推定された。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (9件)
Agricultural and Forest Meteorology in press
日本生態学会誌 55
ページ: 117-124
Agricultural and Forest Meteorology (in press)
Jpn.J.Ecol. (In Japanese) 55
計測と制御 43・11
ページ: 825-831
10014123073
地球環境 9
ページ: 181-190
Keisoku to Seigyo (In Japanese) 43(11)
Global Environmental Research 9