研究分担者 |
田口 洋治 新潟大学, 工学部, 教授 (90018490)
狩野 直樹 新潟大学, 工学部, 助教授 (00272857)
山本 仁志 新潟大学, 農学部, 教授 (30018543)
中田 誠 新潟大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (80217744)
宮内 信之助 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (90018672)
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研究概要 |
1.「ザラメ雪及び球状氷からの酸性イオンの溶出現象」 雪解け時,酸性イオンが堆積したザラメ雪から優先的に溶出するという。春先には,雪の溶解または雨によりイオンは上層部から下層部へ移動する。硫酸イオンの溶出量を増やすべく,それを含む溶液から球状氷を生成し検討した。氷をカラムに充填した融解実験の結果,最初の流出液中の硫酸イオン濃度は高く,後の流出液中の濃度が低いことが示された。有機溶媒を用いた融解実験により個々の氷中の濃度分布を測定したところ,球状氷表面付近の濃度が高いことが認められた。 2.「水溶液中のリン酸及びアンモニウムイオンの氷表面への吸着」 氷結晶面へのリン酸及びアンモニウムイオンの吸着量を実験的に検討した結果,両イオンとも溶液温度が0〜0.4℃の範囲で吸着現象が認められ,氷表面への吸着は10〜30秒程度接触させた時に吸着量が最大を示し長600秒でほぼ平衡吸着に達した。リン酸イオンの方がやや多く氷表面に吸着した。氷表面今の両イオンの吸着はラングミュア型吸着と判断された。 3.「pHと溶出元素による酸性化土壌の評価」 新潟県の降水のpHの年平均値は4.6で,潜在的に土壌へ影響を及ぼしていると推定される。酸性化が進行したか否かの判断には長期間の観察が必要である。主に新潟県内の土壌を対象として、6年間にわたり土壌のpH及び溶出成分を分析し,酸性化の進行の程度について検討し,以下の結論を得た。(1)土壌のpHの測定から,新潟県の土壌の酸性化は少しずつではあるが確実に進行している。(2)深さ方向の土壌のpH測定により,土壌の酸性化の進行程度を評価できる。(3)低いpHを示す土壌からはAl, Mgが比較的多く溶出し,これらの溶出元素は樹木に影響すると考えられた。一方,Caは既に酸性化の進んだ土壌からは殆ど溶出しなかった。溶出成分の種類,量は土壌のpH値と密接な関係が認められた。
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