研究課題/領域番号 |
15510042
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線・化学物質影響科学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
坪井 康次 (2005) 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (90188615)
松丸 祐司 (2003-2004) 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (70323300)
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研究分担者 |
西沢 かな枝 (西澤 かな枝) 放射線医学総合研究所, 重粒子医科学センター, 研究員 (40086575)
坪井 康次 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (90188615)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 血管内治療 / 脳 / 被ばく線量 / 医療被ばく / 放射線防御 / 被曝測定 / 医療被曝 |
研究概要 |
本研究では、まず、小型ガラス素子線量計を用いて頭頸部血管内治療に伴う局所被ばく線量を厳密に測定し、医療被ばくの現状を明らかにすることを目指した。さらに、X線透視装置に装着して照射野の中に、任意の直径の円形遮蔽領域をつくるX線遮蔽装置の開発を目指した。 筑波大学附属病院での頭頸部血管内治療施行患者32症例を対象とし、治療前にガラス素子線量計を5本1組として患者の頭部の約20か所に設置した。また、頭部以外にも両眼球前面、甲状腺前面、前胸部、下腹部にも線量計を設置した。頸動脈の血管内治療の際には頸部を取り囲むように可能な限り線量計を設置した。血管内治療中はX線発生装置の管電圧、智電流の推移、撮影フレーム数を記録し、血管内治療終了時には総照射時間、面積線量計の数値を測定し被ばく線量を推定する根拠とした。対象とした32例中21例で1Gy以上の被ばくを認め、15例ではそれが2点以上で記録された。また、この中で観察期間内に脱毛を認めた患者が2例認められた。そこで、簡便に頭頚部の被ばくを測定するために帽子型の線量計装着ウェアを開発し(特願2005-46292)、線量計設置位置のデザイン変更を施し、国際出願(PCT出願)を行った。一方、通常の脳血管内治療では医療者の被ばくはきわめて低いことが明らかになった。血管造影装置に付加する局所被ばく低減装置を開発し特許出願し(特願2005-39556)、さらに、遮蔽部分を自動追尾する機構を研究開発して国際出願(PCT国際出願)した。 今回、頭頸部血管内治療に伴う被ばくの現状が始めて明らかにされたとともに、線量測定をより簡便に行うための帽子型ウェア、さらに局所被ばく低減装置のプロトタイプを作成することができた。今後、血管内治療を受ける多くの患者にとって利益をもたらし、その予後向上につながると考えられる。
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