研究課題/領域番号 |
15510067
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境技術・環境材料
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研究機関 | 北見工業大学 |
研究代表者 |
伊藤 英信 北見工業大学, 工学部, 助教授 (90113703)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2004年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
2003年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | ライムケーキ / 低温固化 / 自律型調湿機能 / VOC吸着 / シックハウス / 機能性建材 / VOC除去 |
研究概要 |
甜菜製糖工場から発生するライムケーキは年間約30万トンといわれ、その有効な再利用法が模索されている。ライムケーキの主成分は炭酸カルシウムであり、固めることが出来れば石膏ボード様の内装建材として活用できると期待される。本研究では内装建材として実用に堪え得る程度の強度をもつライムケーキ固化体作製法の検討、及び新たに見出されたライムケーキの特徴(多孔性)を活用した機能性材料の開発を目的として、自律型調湿機能およびシックハウス原因VOC除去機能の評価を行った。その結果、以下のことが明らかになった。(1)ライムケーキに助剤として水酸化カルシウムを加えた成形体を水蒸気-炭酸ガス雰囲気中100-150℃で処理すると、最大約20MPaの圧縮強度をもつ固化体を製造することができる。(2)ライムケーキ固化体は相対湿度11%と84%の二定点で吸脱着を繰り返すと最大1.3wt%の水蒸気を吸放出する。(3)ライムケーキはホルムアルデヒド濃度を0.05ppm以下(検知管の検出限界以下)まで下げる能力をもつ。(4)排気下においても吸着残存するホルムアルデヒドの量は4.2x10^<-4>mol/gで市販珪藻土(3.6x10^<-4>mol/g)よりも多い。(5)その一方、トルエン、キシレンなどベンゼン系VOCの場合、同条件での吸着量は逆に珪藻土の方が多い。(6)TPD-MSによりホルムアルデヒドの吸着強度を評価した結果、脱離開始温度は約50℃であり、通常の気象条件では容易に脱離しないことがわかった。脱離スペクトルのピークは106℃であった。一方、珪藻土に吸着したホルムアルデヒドのTPDスペクトルのピーク温度は128℃であった。珪藻土に吸着残存するホルムアルデヒドはより強い吸着状態にある。(7)ライムケーキと珪藻土のVOC吸着特性の違いは前者が固体塩基、後者が固体酸であることに起因すると推測した。以上の結果を総合して、ライムケーキ固化体は自律型調湿機能をもち、種々VOCを吸着除去する能力をもつ内装用建材材料として有望であると結論した。
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