研究課題/領域番号 |
15510091
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ナノ構造科学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
藤井 稔 神戸大学, 工学部, 助教授 (00273798)
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研究分担者 |
林 真至 神戸大学, 工学部, 教授 (50107348)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | シリコン / ナノ結晶 / ドーピング / 発光 |
研究概要 |
本研究では、Siナノ結晶にドナー原子とアクセプター原子を同時にドーピングすることによりSiナノ結晶に等電荷トラップを形成し、発光再結合レートを増強することを目的とする。本研究により、同時スパッタリング法によるPとBを同時ドーピングしたSiナノ結晶の作製方法を確立した。PおよびBの濃度をシステマティックに変化させて詳細な光学測定を行うことにより、発光特性に及ぼす不純物ドーピングの影響に関して詳細なデータを得ることができた。また、キャリアを補償したSiナノ結晶では、不純物をドーピングしないSiナノ結晶に比べて発光強度が増大するとともに、発光ピークエネルギーをバルクSiのバンドギャップ以下である0.9eV付近から1.5eV付近まで制御することが可能になった。さらに、キャリアを補償したSiナノ結晶のErイオンに対する光増感作用に対して研究を行った。その結果、キャリアを補償したSiナノ結晶は、不純物をドーピングしないSiナノ結晶と遜色がないか、もしくはそれ以上の光増感作用を有することが明らかになった。 以上のように、本研究により不純物ドーピングによりSiナノ結晶中に等電荷トラップを形成することが可能であること、また、それらのナノ結晶が不純物をドーピングしないSiナノ結晶では得られない特異な特性を有することが明らかになった。しかしながら、n型、p型の不純物を同時にドーピングしたSiナノ結晶の電子状態については、まだほとんど明らかになっていない。不純物制御によるSiナノ結晶の物性制御とその応用展開の可能性をさらに推し進めるためには、電子状態の解明が不可欠であり、今後の大きな研究課題となる。
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