研究課題/領域番号 |
15510139
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会システム工学・安全システム
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研究機関 | 立正大学 |
研究代表者 |
後藤 真太郎 立正大学, 地球環境科学部, 教授 (80247436)
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研究分担者 |
宮田 大輔 立正大学, 助手 (20339609)
沢野 伸浩 星稜女子短期大学, 経営実務科, 助教授 (60269587)
濱田 誠一 北海道立地質研究所, 海洋地学部, 主任研究員
佐尾 邦久 (株)海洋工学研究所, 代表取締役
永田 隆一 (株)オホーツク流氷科学研究所, 主任研究員
仁木 拓志 立正大学, 地球環境科学部, 助手 (00339607)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 社会技術 / 油流出事故 / 地理情報システム / リモートセンシング / 数値シミュレーション / 地域防災計画 / 環境マップ / サハリン油田開発 |
研究概要 |
1997年1月2日未明に発生したロシアタンカー・ナホトカ号重油流出事故(以下、ナホトカ事故と称す。)は、沿岸域という利権が複雑に絡む領域に多大な被害を与えた。また、回収作業において、適切な回収作業が実施されたとはいえず、具体的な対応の難しさをドラスチックに国民に知らしめる事件となった。エクソンバルディーズ号重油事故が既に示しているように、この種の災害は、発生原因が人為的であるものの、環境に影響を与える自然災害であるという認識が必要であり、対策においても、環境影響評価においても、事故の影響の広域的な広がりと長期的でしかも複雑な環境的影響が特徴であるため、学際的な科学的知見を必要とする。このため、本研究では、これまで代表者らが構築してきた要素技術を拡張・インテグレーションし、以下の研究を行なった。 1.重油漂着シミュレーションの拡張 代表者が既に作成した重油漂着モデルは、沖合での流出重油の挙動を対象にしたものであり、沿岸域における重油の挙動を示すためには沿岸域の二次元海流場のデータが必要とされる。このため、代表者らが既に開発しているXバンドレーダから得られる海流場のパラメータをシミュレーションプログラムに入力する事ができるシステムを構築した。このため、重油漂着シミュレーションに必要なパラメータのXバンドレーダによる取得精度の検討を北海道開発局の現地観測データと比較することによって実施した。レーダデータについては、紋別のオホーツク流氷研究センターのレーダを借用し、ビデオ信号で取りこまれるレーダデータは立正大学保有のWAMOS(高速A/D変換機)で行なった観測結果を使用した。レーダデータと観測データとの比較の結果、十分な精度で検証できず、アシミュレーションには至らなかった。 2.ESIマップの作成 昨年度完成させたESIマップに社会情報として魚場情報を加え、自然情報のみに依存したESIランクの再評価を地理情報システム(ARCVIEW)により行った。自然情報では脆弱でない海岸も、魚場情報によって脆弱な海岸になるケースがあり、油災害時に自然情報と魚場情報との優先順位をつけることは現実的には困難であることが示唆され、油流出事故に備えて事前に調整をする事が重要であり、地域防災計画等で、地域の特性を考慮しつつ優先順位をつける手法を確立させる必要がある事を示した。 3.油流出に備えた地域防災計画の策定 1,2の成果および、本研究による調査したナホトカ重油事故時の漁業被害額の算定基準および、請求額との乖離の調査結果および、USA、韓国等の地域防災計画を参考に、既存の地域防災計画には含まれない項目を列挙し、日本での油流出事故時の地域防災計画に含むべき項目について検討し、日本における既存のマニュアルには油防除用機材についてのみであり、災害時のアクションを規定する記載がない部分を列挙し、地域防災計画に盛り込むべき内容を明らかにした。
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