研究課題
基盤研究(C)
本研究では、近年の都市温暖化と降雨形態の変化傾向の相関の実態を地上気象観測のデータから把握し、実際に降雨形態がどのように変遷してきたかを解明した。その中でいくつかの典型的な事例を抽出し、気象モデルによる数値シミュレーションを実施し、異なった気候状態から計算を開始することで都市域での降雨形態がどのように変化するかの将来予測を行った。調査対象は大阪都市圏とした。本研究は大きく分けて次の3段階に分けて実施した。1)地上気象観測データによる近年の都市温暖化傾向と降雨形態の実態の把握2)高解像度雲モデルを用いた現象,特に過去に甚大な洪水被害をもたらした降雨現象の再現実験3)都市気候変化の降雨現象に及ぼす影響予測のための数値シミュレーション約30年間の地上気象データにより大阪都市圏における夏季の降雨形態の変遷過程の実態を都市温暖化との関連に注目して解析し、その結果に基づき、気象予報モデルにより大阪都市圏における夏季の局地循環の再現数値シミュレーションを行った。都市気候変化の降雨現象に及ぼす影響を検討するため、地上気象データの解析から明らかになったこれまでの気温上昇傾向を加味するとともに、現時点での降水時の特徴的な条件を付加することで仮想的な将来の都市大気環境を作成した。現在状態と将来状態との数値シミュレーションを行い、その差異から都市化が降雨に及ぼす影響を評価した。想定される都市化の度合いの様々なシナリオに基づき感度実験を行った。
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