研究課題/領域番号 |
15510199
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地域研究
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
貴堂 嘉之 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 助教授 (70262095)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | ナショナリズム / 国民化 / 人種 / エスニシティ / 表象 / 集合的記憶 / メディア / 移民 / 国民 |
研究概要 |
本研究課題は、アメリカ合衆国の国民形成・国民統合研究の分析枠組みとして、人種・ジェンダー・エスニシティ・階級といった諸変数がどのように各時代のなかで作用してきたのか、それを「国民化」と「人種化」を鍵概念として検討してきた。その理論的・史学史的まとめとして、樋口・中條編『歴史のなかの「アメリカ」-国民化をめぐる語りと創造』(彩流社)所収の「日米のナショナリズム・国民意識に関する研究史」を著することができた。ここでは、「理念の共和国」、移民国家、シビック・ナショナリズムの語りのなかでつねに「普遍」の語りへと回収されるアメリカ合衆国のナショナリズムの脱構築のために、社会史的視点とソシアビリテの方法が重要であることを指摘し、日本近代史の国民国家論との異同を論じることで、日本の歴史学界に対する重要な問題提起をなすことができたと考えている。また、前年度からの取組みであった南北戦争以後の戦死者の英霊化をめぐるナショナリズムの胎動については、論文「「血染めのシャツ」と人種平等の理念」(同書所収)にまとめ、アメリカ合衆国のナショナリズムの男性的・暴力的性格、軍事化について、歴史的に19世紀の南北戦争にその淵源を求めて、その発展過程を示すことができた。また、本研究が新しい方法として取り組んだ表象・メディア研究の成果として、19世紀アメリカを代表する風刺画家トマス・ナストの全2188タイトルのデータベースをようやく完成させることができた。この19世紀のポストベラム期のアメリカ社会を活写する『ハーパーズ・ウィークリー』の風刺画の図像データベースができたことで、新しい表象研究の地平での図像分析を可能にすることができたと考えている。
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