研究課題
基盤研究(C)
近代合理主義に対するカントの批判の革新性を、ヴォルフ主義哲学との対決という観点から明らかにした。まず、『哲学雑誌』におけるエーベルハルトの6つの論文が検討された。1.人間の認識の制限に関して2.人間の認識の論理的真理あるいは超越論的妥当性に関して3.人間の認識の論理的真理あるいは超越論的妥当性についての理論のさらなる適用4.純粋知性の領域に関して5.感覚能力による認識と知性による認識の本質的区別に関して6.人間の認識の起源に関して次に、『純粋理性のあらゆる新しい批判は古い批判によって無用とされるべきであるという発見について』におけるカントの反論が検討された。1.論述の形式の問題2.概念の客観的実在性3.充足的根拠の命題および概念4.単純なものの概念5.非感性的なものへの上昇エーベルハルトがカントと本質的に異なるポイントは、経験の軽視においてではなく、経験的なものと合理的なもの、あるいは、感性的なものと知性的なものとの混交において見いだされた。エーベルハルトは、「感覚能力によって知覚する物」あるいは「私たちの固有の魂において意識する物」から抽象しなかったいかなる普遍的概念ももちえないと言う。ヴォルフ主義哲学は感性的なものから知性的なものを抽象するのである。このポイントは古代ギリシアのアリストテレス哲学にまで達する。カントの批判哲学の革新性は、このポイントを慎重に考慮してはじめて明白になるのである。
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哲学・思想論集 (筑波大学人文社会科学研究科哲学・思想専攻) 第31号
ページ: 63-82
120000840403
Studies in Philosopy (Institute of Philosophy, University of Tsukuba) No.31
哲学・思想論集(筑波大学人文社会科学研究科哲学・思想専攻) 第31号
筑波哲学 (Journal for the Philosophical Moments in Tsukuba) 第13号
ページ: 101-105
別冊情況(特集カント没後200年) 第3期第5巻 第12号
ページ: 78-88
Journal for the Philosophical Moments in Tsukuba No.13
Joukyou (Joukyou-Shuppan) No.3-5-12
別冊 情況(特集 カント没後200年) 第3期第5巻第12号