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ドイツ観念論と価値ニヒリズムの問題

研究課題

研究課題/領域番号 15520006
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 哲学・倫理学
研究機関埼玉大学

研究代表者

渋谷 治美  埼玉大学, 教育学部, 教授 (50126083)

研究期間 (年度) 2003 – 2005
研究課題ステータス 完了 (2005年度)
配分額 *注記
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワードフィヒテ / シェリング / ヘーゲル / スピノザ / カント / ニヒリズム / 価値 / 自由 / 知識学 / 大論理学 / ドイツ観念論 / 自己実現 / 事行 / 自我 / 非我 / 根底 / 悪
研究概要

研究期間中に、フィヒテ『1794年の知識学』、シェリング『人間的自由の本質』、ヘーゲル『大論理学』を精読した。本研究の狙いとして、これら三人の哲学思想の底流にスピノザ、カントとの関連を探り、それがそれぞれの自由論、価値論にどのような影響を及ぼしているか、スピノザを経てカントが直面した価値ニヒリズムを彼らがどのように受け止め処理したか、を探るつもりであった。この観点からすると、率直に言ってこの三年間の研究の到達点は、期待にはほど遠いものであった。まずフィヒテのこのテキストには価値ニヒリズムに関連するような記述が断片としてすら見いだすことができなかった。フィヒテの他の時事的な文献からそのようなニュアンスを読み取っていたので、この点は意外かつ落胆した。次にシェリングについていえば、このテキストは結局は価値ニヒリズムの回避の試みであるといえるとは思うが、スピノザ、カントとの関係を匂わす文脈をここに発見することができなかった。最後にヘーゲルのこのテキストは聞きしに勝る難解な書で、意味を追うだけでも辛酸を極めた。しかも価値論に関係しそうな論述を見いだすことができなかった。ということで、本研究の主題的仮説は間違っていないと思うが、今回は選んだテキストが適切でなかったと反省している。
反面、副次的な成果は多々あった。まず、フィヒテは思ったほどにはカントの「純粋統覚の外界への自己実現」論を真正面から受け止めていないこと、逆にヘーゲルの弁証法はフィヒテの論理展開の仕方と紙一重であること、シェリングの神論は単純なキリスト教護神論とはいいきれないこと、ヘーゲルは『大論理学』の概念論への導入の箇所でスピノザを高く評価しており、またカントについて随所で適切な批評を下していること、を発見したことは大きな成果であった。
というわけで、「ドイツ観念論と価値ニヒリズムの問題」という研究テーマでの仕事は、私にとって仕切り直しとなった。今後中長期的に探求していきたい。

報告書

(4件)
  • 2005 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 2004 実績報告書
  • 2003 実績報告書
  • 研究成果

    (11件)

すべて 2006 2005 2004 2003 その他

すべて 雑誌論文 (6件) 図書 (4件) 文献書誌 (1件)

  • [雑誌論文] 日中戦争期の知識青年従軍運動に関する一考察-抗日ナショナリズムの光と影-2006

    • 著者名/発表者名
      笹川 裕史
    • 雑誌名

      近きに在りて-近現代中国をめぐる討論のひろば 第49号

      ページ: 57-69

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2005 研究成果報告書概要
  • [雑誌論文] 重慶戦時糧食政策の実施と四川省地域社会2005

    • 著者名/発表者名
      笹川 裕史
    • 雑誌名

      民国後期中国国民党政権の研究(中央大学人文科学研究所編)(中央大学出版部)

      ページ: 415-451

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2005 研究成果報告書概要
  • [雑誌論文] 重慶戦時糧食政策における決定と執行2004

    • 著者名/発表者名
      笹川 裕史
    • 雑誌名

      1930-1940年代中国の政策過程(ワークショップ報告書)

      ページ: 15-25

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2005 研究成果報告書概要
  • [雑誌論文] 糧食・兵士の戦時徴発と農村の社会変容-四川省の事例を中心に-2004

    • 著者名/発表者名
      笹川 裕史
    • 雑誌名

      重慶国民政府史の研究(石島紀之, 久保亨編)(東京大学出版会)

      ページ: 235-256

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2005 研究成果報告書概要
  • [雑誌論文] 近現代中国における社会統合の諸段階2004

    • 著者名/発表者名
      奥村 哲
    • 雑誌名

      現代中国研究 第14, 15号

      ページ: 16-28

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2005 研究成果報告書概要
  • [雑誌論文] 民国期中国の農村社会の変容2003

    • 著者名/発表者名
      奥村 哲
    • 雑誌名

      歴史学研究 第779号

      ページ: 18-24

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2005 研究成果報告書概要
  • [図書] Dialogue with Nihilism - A Symposium between Tokyo and Vienna -2005

    • 著者名/発表者名
      Haruyoshi Shibuya (co-aompiler and co-author)
    • 総ページ数
      207
    • 出版者
      Kohyoh Publisher
    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2005 研究成果報告書概要
  • [図書] ニヒリズムとの対話-ウィーン・東京往復シンポジウム-2005

    • 著者名/発表者名
      渋谷 治美 他7名
    • 総ページ数
      207
    • 出版者
      晃洋書房(京都)
    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [図書] ニヒリズムとの対話-東京・ウィーン往復シンポジウム-2005

    • 著者名/発表者名
      渋谷 治美 他7名
    • 総ページ数
      207
    • 出版者
      晃洋書房(京都)
    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [図書] 中国の資本主義と社会主義-近現代史像の再構成-2004

    • 著者名/発表者名
      奥村 哲
    • 総ページ数
      422
    • 出版者
      桜井書店
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2005 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 渋谷治美(編者), G.ベルトナー 他 7名: "価値ニヒリズムと現代"晃洋書房(京都)(仮題)(予定). 300 (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書

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公開日: 2003-04-01   更新日: 2016-04-21  

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