研究課題/領域番号 |
15520047
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
印度哲学・仏教学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
和田 寿弘 (和田 壽弘) 名古屋大学, 大学院・文学研究科, 教授 (00201260)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2003年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 新ニヤーヤ学派 / ミーマーンサー学派 / パーニニ文法学派 / ガンゲーシャ / ウダヤナ / 定動詞語尾 / タットヴァ・チンターマニ / ニヤーヤ・クスマーンジャリ / 定動詞接辞 / 普遍 / ウパーディ / 言語認識 / sabdabodha / 表示機能 / 動詞語尾 |
研究概要 |
成果は以下の3点である。(1)新ニヤーヤ学派の特質の解明。この特質をどのように規定するのかという点に関する先行研究を俯瞰し、これまでの規定が循環論法に陥っていたことを論じた。循環論法を避けるために新たな視点を導入してその特質についての仮説を提示した。すなわち、「関係」に基づく分析と記述との方法にその特質を見出した。その結果、この方法の起源がウダヤナにさかのぼることを明らかにした。(2)初期の新ニヤーヤ学派の意味決定の原則の解明。初期にこの学派で広く受け入れられていた語の意味を決定する方法を明らかにし、そしてその方法でも決定できない場合にどのような原則が働くのかについて議論した。さらに、この原則が新ニヤーヤ学派の実在論と深く関わっていることを解明した。このことは、実在論の立場をとる学派の(サンスクリット)意味論が存在論的枠組みの中に取り込まれていることを示す一例となる。(3)ガンゲーシャの『タットヴァ・チンターマニ』「言語論の章」「定動詞接辞の節」の冒頭部分の英訳と議論で用いられる術語と議論において前提とされている概念との分析を試みた。これは「定動詞接辞の節」全体の約4分の1に当たる。英訳された箇所は、新ニヤーヤ学派の「伝統説」とこれに対するミーマーンサー学派からの反論とである。この部分とウダヤナの『ニヤーヤ・クスマーンジャリ』との対応関係も明らかにし、ウダヤナの議論がガンゲーシャに大きな影響を与えたことを示唆した。本研究は、初期新ニヤーヤ学派の言語哲学の一端を、ウダヤナとガンゲーシャのテクストを用いて具体的な文脈の中で解明し、今後のこの学派の言語哲学研究の出発点となる。
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