研究課題/領域番号 |
15520069
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
思想史
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中畑 正志 京都大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (60192671)
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研究分担者 |
内山 勝利 京都大学, 大学院・文学研究科, 教授 (80098102)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | プラトン / アリストテレス / ロゴス / ファンタシアー / 対話篇 / 文体 / 制度化 / 理性 / 新プラトン主義 / 想像 / ステファノス版 / ガレノス |
研究概要 |
中畑は、この研究を通じて、哲学のいくつかの重要概念が、プラトンやアリストテレスにおいて何を意味したのか、そしてそれらの意味がその後の哲学においてどのように変容されたのかを明らかにした。たとえば「ロゴス」については、従来は「理性」を意味すると解釈されてきたプラトンの重要な用例が、実際にはそのような個人の思考推論能力を意味せず、むしろ公共的な規範という意味をもっていることを示した。またアリストテレスにとってファンタシアー(phantasia, imaginatio)とは、感覚知覚を構成する要素であることを論じた。さらに新プラトン主義をはじめとする古代後期の哲学において、こうした基礎概念の意味が固定化し、そうした概念を用いた思考が制度化されていく過程を具体的に跡づけた。 内山は、ギリシアの哲学者たちにおける思考とその表現形式との関係に注目し、初期ギリシア哲学者たちは各自の思想を表現するためにそれぞれ独特の文体を適切に選び取っていることを明らかにした。またプラトンの著作が対話篇という形式を採っている理由を考察し、対話篇という形式がプラトンの考察を特定の固定した教説となることから保全するものであり、同時に知の客観性を確保するプラトンの積極的な方法であることを明らかにした。 中畑と内山は、以上のようなそれぞれの研究を相互に検討し、内山がプラトンまでの哲学者たちが諸概念と教説の固定化をむしろ意識的に排除してきたことを指摘したのに対して、中畑はアリストテレスがいくつかの概念や理論を明確に定式化したこと、そしてその後の哲学においてはそのような概念と思考がさらに制度化され固定化されていったことを確認した。
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