研究課題
基盤研究(C)
本研究では、批判的社会理論と文化的多元主義の理論を読解・分析し、それぞれの論理構造と両者の関係を考察した。第一に、ハーバーマスの討議理論とホネットの承認論とを分析・解明した。そこでは、ハーバーマスの討議理論の法学的展開として、民主的法治国家論を取り上げた。より具体的に言うならば、共編著『批判的社会理論の現在』所収の拙論「ハーバーマスにおける権利体系の再構成」は、民主的法治国家の基礎としての「権利の体系」の形成を扱っている。ハーバーマスの討議理論の原理論的解明として、討議倫理学の形成過程の分析を、「ハーバーマスにおける討議倫理学の基本構想」において行った。さらに、ハーバーマスの討議理論の基礎としての「形式語用論」の分析を、「ハーバーマスのコミュニケーション的行為論の基本構造」において行った。ホネットの承認論については、東北社会学研究会シンポジウムで「アクセル・ホネットの承認論の展開と論争状況」として報告した。また、ホネットの『正義の他者』の共訳書を刊行することによって、『承認をめぐる闘争』以降のホネットの理論の展開を確認した。第二に、テイラーやキムリッカなどのマルチカルチュラリズム、フレイザーのフェミニズム的批判理論との分析と、それらの理論と批判的社会理論との論争関係を解明した。「多文化主義時代における「承認をめぐる闘争」」は、テイラーのマルチカルチュラリズムの特徴を分析し、それをハーバーマスの民主的法治国家における権利の実現についての考察と関係づけた。「多文化主義における政治文化の問題」は、キムリッカのマルチカルチュラリズムの基本線を確認し、ハーバーマスの民主的法治国家論における政治文化論と対比している。共編著『批判的社会理論の現在』所収のホネットとのインタヴュー「批判的社会理論の承認論的転回」は、ホネットの側から、フレイザーとの論争を取り上げたものである。
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