研究課題/領域番号 |
15520096
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
美学・美術史
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研究機関 | 学習院女子大学 |
研究代表者 |
今橋 理子 学習院女子大学, 国際文化交流学部, 助教授 (70266352)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 江戸時代絵画 / 花鳥画 / 動物画 / 博物学 / 絵画と文学 / 比較文化論 / ことばとイメージ / 美術史と民俗学 / 江戸絵画 / アニマル・アート / Animal Art / 民俗学と美術史 / 民間伝承 / 江戸時代花鳥画 |
研究概要 |
本研究は3年間にわたり行った。まず2003年と2004年では、日本各地に散在する江戸時代花鳥画の中でも、特に京都における円山四条派と、大坂における森派の「動物画」について調査を行い、写真資料や作品のデータを集めた。集積されるべきデータ量は、当初より膨大なものが予測されていたが、実際に行ってみるとそれ以上であることがわかったため、調査については本研究の期間終了後も継続して行いたいと考えている。本研究ではこのような状況の中で、最も論じるべき対象としては、円山四条派では長澤蘆雪の<仔犬画>が、また森派では森一鳳の<猪画>が抽出された。そしてこの二つのケーススタディを通じて、作品の「主題解釈」の再検討を行う必要性を見出した。すなわち、東洋における花鳥画は、伝統的に何らかの「吉祥」の意味をもつものであるが、江戸時代の「動物画」ではそうした伝統とは無縁の、「社会風刺」や「民俗信仰」、また江戸時代人の言語感覚にもとづく「ことば遊び」が隠されている場合が多い。また各流派内で独自に受け継がれていた「芸術家伝説」(流派の始祖にまつわる伝説)や、あるいは、あらたな形での伝統文学(特に和歌)の「見立て」(一種の「準え」)である場合も発見された。 こうしたことにより、「動物画」解釈に対しては、従来の作品解釈とは全く異なる視点や方法論が必要となった。結論的には、従来の花鳥画解釈の方法に加えて、私は<象徴><擬人化><ことば遊び>という三つの思考の有り方を、江戸時代「動物画」には照らす必要があることを見出した。そのため、研究の主軸を江戸時代美術史に置きつつ、国文学・歴史学・民俗学また歴史社会学などの研究成果も多く援用する、比較文化論の手法によって論ずるに至った。具体的には、兎・烏・猪・虫・犬・狐をテーマとした動物画を扱う形で単著にまとめ、上梓した。その成果が『江戸の動物画--近世美術と文化の考古学』(東京大学出版会、2004年12月刊行、376頁)である。
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