研究課題/領域番号 |
15520099
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
美学・美術史
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研究機関 | 京都市立芸術大学 (2005) 大阪国際大学 (2003-2004) |
研究代表者 |
藤田 隆則 京都市立芸術大学, 日本伝統音楽センター, 助教授 (20209050)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 能 / 謡 / 拍子 / 合わせる / 地拍子 / リズム / 拍節 / 楽譜 / 記譜法 / ノリ / 記述方法 |
研究概要 |
3年間におこなった収穫のもっとも大きなものは、能の地拍子にかかわる過去100年間にわたる文献目録を『能の地拍子研究文献目録』という題名で、作成できたことであった。147点におよぶ書物の内容にふれるコメント等は、冊子体だけではなく、研究代表者が所属する部局のホームページでも公開が開始されている。 当研究の副題につけた三つのうち、「知覚実験」については、研究代表者の未熟もあって、適切な方法をみつけることができず頓挫した。実験を適切に遂行するためには、実験室等適切な環境が必要であり、実験対象となる人も限られる。この点がクリアすべき今後の課題として残った。 「参与観察」については、民俗芸能等の練習への参与観察をつうじ、謡の学習者の拍子認識のあり方についての示唆を感じつつあるが、いまだ直感的な段階にとどまっており、成果として発表できる段階には至っていない。ただ、今回とりあげた「拍子」だけではなく、歌詞の音数律にもっと目を向けるべきであるということが、今後の課題として強く意識された。研究を次段階にすすめる上での大きなヒントである。 本研究を通じて、音数律と、それが生成する拍子の感覚についての体系的な調査が必要であることも痛感された。たとえば「はるがすみ」という五文字があるとき、人はふつう謡い出しの「は」そして「が」という位置にストレスを知覚するであろう。これは能の実際の拍子とは半拍ずれでいる。この点については、これまであまり指摘されてこなかった。こういった論点が発見できたのは本研究の大きな収穫の一つである。
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