研究課題/領域番号 |
15520120
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本文学
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
小川 靖彦 青山学院大学, 文学部, 助教授 (10249922)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2004年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2003年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 萬葉集 / 巻子本 / 敦煌写本・敦煌文書 / 奈良朝写経 / 書物学 / 日本文学 / 文学一般 / 美術工芸史 / 国文学 / 敦煌文書 / 日本書紀 |
研究概要 |
この研究において日本最古の歌集『萬葉集』の、失われた原本の「書物」としての姿の復元のための基礎的な情報整備を行った。 1.7~8世紀の日本で書写された仏典・漢籍・国書に関する、書誌を中心とするデータベースの構築 (1)日本古代巻子本715件(書名・所蔵者別)の現存状況、所蔵者、書誌についての第一次データベースを構築した。(2)これにより8世紀の装丁を残す日本古代巻子本が容易に検索できるようになった。(3)書誌情報の一覧化により、時代とともに界線(罫)の縦が長くなることが判明した。これは書写年代の推定に資するものである。 2.8世紀の装丁の調査 (1)巻紐の極めて少ない現存例の一つとされた大東急記念文庫蔵『大方広仏華厳経』巻第三十の巻紐(組紐)を調査し、それが14世紀以後のものであることを明らかにした。(2)7~8世紀の日本古代巻子本は本来繰り返し開き見るものでないことを前提に、耐久性の弱い巻紐が取り付けられたと推測した。 3.『萬葉集』と同時代の敦煌写本および敦煌出土染織品についての調査 (1)敦煌写本のレイアウトを複製本で調査し、題と本文を同じ高さで書くことを確認した。(2)大英図書館蔵敦煌写本調査し、現存する巻紐が繰り返し開き見るために、後に付け替えられたものであることを明らかにした。 4.『大日本古文書』所収古代文書に記載された巻子本書誌データベースの構築 (1)『大日本古文書』『寧楽遺文』所収古代文書に記載された、2011件の巻子本の料紙・表紙・巻紐・軸の情報を整理しデータベースを構築した(経巻名の認定作業も新たに行った)。(2)日本古代巻子本の巻紐が「綺」(極細い平織の紐か)であったことを確認した(組紐は平安以後)。(3)733年頃に極めて装飾性の高い装丁が現れることが判明した。この装丁は日本古代文化の書物文化の高さと、平安以後の装丁の起源を解明する手懸かりとなる。
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