研究課題/領域番号 |
15520151
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ヨーロッパ語系文学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松村 剛 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (00229535)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 中世フランス語 / フランス語史 / 語彙論 / ジャン・ブレット / 典礼 / フランス地方語 / 言語地理学 / 地方語 / 宗教用語 |
研究概要 |
中世フランス語版ジャン、ブレット『典礼大全』は今まで校訂版が存在せず、ほとんど研究の対象になってこなかった。今回の研究において、フランス国立図書館所蔵の写本を基に校訂版を作成し、この作品中で使われている語彙の地理的・歴史的な特色を総合的に検討した。その結果、この作品がかつて言われていたようにポワトゥー地方で制作されたのではなく、オルレアネ地方で制作されたものであることが分かった。この地域特定に際しては、伝統的な形態論的研究に合わせて、語彙の地理的特色の研究を最新の知見をもとにおこなった。他方、13世紀前半に作られたこの作品には従来のフランス語史研究の知識を補完する用例が多く使われていることも明らかにすることができた。多数の典礼用語がこの作品に初めて登場しているだけでなく、より広く宗教用語、さらには一般的な語彙に関しても、思いがけない箇所に多くの興味深い用例を収集することができた。これらは、現在刊行されつつある『古フランス語語源辞典』(Dictionnaire etymologique de l'ancien francais)(ハイデルベルク大学)にとって重要なデータになるばかりでなく、フランスのナンシーにある国立フランス語研究所(ATICF)が推進している『フランス語宝典』(Tresor de la langue francaise)の歴史的・語源的な観点からの改訂作業にも大いに貢献するものである。
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