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17世紀イギリス王党派文学における隠蔽性とジャンルの使用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15520160
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 ヨーロッパ語系文学
研究機関お茶の水女子大学

研究代表者

松崎 毅  お茶の水女子大学, 文教育学部, 助教授 (40190441)

研究期間 (年度) 2003 – 2006
研究課題ステータス 完了 (2006年度)
配分額 *注記
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2006年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2004年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
キーワード17世紀 / 詩 / 王党派 / イギリス / 文学ジャンル / イギリス文学 / ジャンル / パストラル
研究概要

本研究によって得られた知見は以下の通りである。
1.ブロードサイド等の安価な出版物として大衆向けに書かれた歌、俗謡、連祷、哀歌等のジャンルにおいては、隠蔽の意図そのものが希薄であるのに対し、読者層が階級的に限定される牧歌、恋愛詩、瞑想詩、宗教詩等のジャンルについては、偽装および隠蔽的含意の生成の両面において、ジャンルの果たした役割が大きかった。
2.恋愛詩、瞑想詩等のジャンルが主に偽装として機能するのに対し、牧歌はジャンル自体のコードを通じてより能動的に意味の生成に関わっていた。また、読者はそのコードについての理解を共有することにより、王党派としての階級的文化的な結束を強めたと考えられる。
3.王党派文学の隠蔽性は、実体論的権威を神秘化し、かつその神秘化された知の占有を誇示することにより、内乱による敗北後も王と王政主義者達がその権威を維持し続けるための重要な機能を果たしたと考えられる。
4.恋愛詩、瞑想詩、宗教等のジャンルにおける偽装の機能について、いくつかの具体例を明らかにした。特に、いわゆるキャバリエ詩人から宗教詩人へと「転向」したヘンリー・ヴォーンの宗教詩に、ピューリタン批判の極めて辛辣な政治的言説が隠蔽されており、それが「私的な祈り」としての宗教詩が前提とする「語り手=詩人」という解釈の枠組みを逆手に取った極めてジャンル・カンシャスな企てであったことを明らかにした。
5.ジャンル理論に関する最新の知見、個々のジャンルの歴史的成り立ちやそこに含まれる従属的な諸コードに関する知見、また同時期の散文ジャンルについての知見を得ることができた。
今後は個々のジャンルの問題に加え、理論面での研究をより強化したいと考えている。

報告書

(5件)
  • 2006 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 2005 実績報告書
  • 2004 実績報告書
  • 2003 実績報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (8件)

  • [雑誌論文] 「我らが象形文字たる王」-17世紀イギリス王党派詩と隠蔽の政治学2005

    • 著者名/発表者名
      松崎 毅
    • 雑誌名

      お茶の水女子大学人文科学研究 1

      ページ: 191-203

    • NAID

      40006726712

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2006 研究成果報告書概要
  • [雑誌論文] 「私」の沈黙が語るもの-"The World"における「説教師」のペルソナ2005

    • 著者名/発表者名
      松崎 毅
    • 雑誌名

      英文學研究 82

      ページ: 1-13

    • NAID

      110008158992

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2006 研究成果報告書概要
  • [雑誌論文] Our Hieroglyphic King : Royalist Literature and the Politics of Concealment2005

    • 著者名/発表者名
      Takeshi Matsuzaki
    • 雑誌名

      Ochanomizu University Studies in Arts and Culture (New Series) 1

      ページ: 191-203

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2006 研究成果報告書概要
  • [雑誌論文] What the Silenced I Tells about : The Preacher Persona in The World2005

    • 著者名/発表者名
      Takeshi Matsuzaki
    • 雑誌名

      Studies in English Literature 82

      ページ: 1-13

    • NAID

      110008158992

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2006 研究成果報告書概要
  • [雑誌論文] 「私」の沈黙が語るもの:‘The World'における「説教師」のペルソナ2005

    • 著者名/発表者名
      松崎 毅
    • 雑誌名

      英文学研究 第82巻

      ページ: 1-13

    • NAID

      110008158992

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [雑誌論文] 「我らが象形文字たる王」:17世紀イギリス王党派詩と隠蔽の政治学2005

    • 著者名/発表者名
      松崎 毅
    • 雑誌名

      お茶の水女子大学人文科学研究 第1巻(未定)

    • NAID

      40006726712

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [雑誌論文] イギリス内乱期王党派の唄・俗謡・連祷-言論統制と大衆煽動2004

    • 著者名/発表者名
      松崎 毅
    • 雑誌名

      お茶の水女子大学人文科学紀要 57

      ページ: 177-188

    • NAID

      40006346851

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2006 研究成果報告書概要
  • [雑誌論文] The Song, Ballad and Litany in the English Civil Wars : Censorship and Public Agitation2004

    • 著者名/発表者名
      Takeshi Matsuzaki
    • 雑誌名

      Ochanomizu University Studies in Arts and Culture 57

      ページ: 177-188

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2006 研究成果報告書概要

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公開日: 2003-04-01   更新日: 2016-04-21  

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