研究課題/領域番号 |
15520182
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ヨーロッパ語系文学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
谷本 愼介 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (10114555)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 文化危機 / ワーグナー / ニーチェ / オイゲン・ヘリゲル / ヘリゲル / 世紀末 / 西洋近代の文化危機 / マンフレート・エーガー / ヘリゲルの神秘主義的傾向 / ニーチェの「神の殺害者」 / ワーグナーの「さまよえるオランダ人」 / 西洋と東洋の神秘主義 / 弓と禅の連関 / 弓の師匠・阿波研造 |
研究概要 |
1:ヘリゲル研究 本研究における最初の具体的成果は、平成15年9月にドイツ、バイロイト大学で開催された国際シンポジウム(統一テーマ:東アジア文化の受容)における研究発表「オイゲン・ヘリゲルによる東アジア文化の発見と受容」であり、この発表は、シンポジウム出席者の批判や意見に基づいて大幅に改稿して、本研究成果報告書の第5章に収録した。ヘリゲル研究における最大の成果は、ヘリゲルと同時期にインドへ留学したルーマニアの宗教学者ミルチャ・エリアーデのインド文化へのアプローチと、ヘリゲルの禅、弓道へのアプローチを比較することによって、ヘリゲルの<文化危機>克服のプロセスを、ヨーロッパ近代人の「トータル・マン:全体人」としての自己発見への道として捉えることができた点にあって、このような観点は従来のヘリゲル研究には認められなかったと思われる。 2:ニーチェ研究 ニーチェ研究における最大の成果は、ニーチェが若年時からみずからを古代ギリシャの王オイディプスになぞらえて、自身を「最後の哲学者」と名づけていた事実を、遺稿の検証によって発見できたことにある。「最後の哲学者」という彼の自己表明は、ワーグナーが古代ギリシャ「悲劇の再生者」であることへの対抗心のあらわれに他ならず、彼の哲学者としての生涯は、ワーグナーへの対抗心に収斂されることを「オイディプス」を最大のキーワードとして明らかにした。このようなアプローチは従来、内外を問わず認められなかったものだと思われる。 3:ワーグナー研究 ワーグナー研究における最大の成果は、『マイスタージンガー』の主人公ザックスの洗礼者ヨハネとしての形象化の発見、ならびに『パルジファル』の主人公の<死と再生>過程の検証によるパルジファルの両性具有性の証明と、こうしたありようの世紀末から現代におよぶ意義の確認にある。なかでもパルジファルの「トータル・マン」としての再生が<ヨーロッパの文化危機>そのものの克服への可能性に通じる点を明らかにできたことは、母権制研究への見通しも開いてくれることになった。
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