研究課題/領域番号 |
15520191
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ヨーロッパ語系文学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
園田 尚弘 長崎大学, 環境科学部, 教授 (60039790)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2003年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 容器としての住まい / ボルノウ / ベンヤミン / ヘッセル / 労働者 / 大都市 / ミーツカゼルネ / ジードルング / ベルリン / ブルーノ・タウト / 集合住宅 / ドイツ労働者の住環境 / 「住む」ことと「安全感」 |
研究概要 |
ベンヤミンとヘッセルにあって「住む」という表象はいかなるものであるかという問いから出発し、具体的な住居、住宅問題に関する彼らの見解をあきらかにするのが研究テーマである。「住む」ことの探求は、あるいみで哲学者の探求課題でもあるために、ハイデッガーをはじめとしてボルノウやバシュラールにもこのテーマをめぐる思索がある。これらの哲学者たちにとって「住む」ことは人間存在の根本問題である。住むということはベンヤミンにあっては、母胎あるいは容れものといったイメージとつながっている。住むことにこだわった19世紀のブルジョワの室内にベンヤミンはこだわる。ブルジョワの住まいが庇護を約束するものであっても、ベンヤミンにあっても、ヘッセルにあっても、それはかれらの趣味にはそぐわないものである。同じ時代に労働者の劣悪な住環境があることを彼らは知っていた。19世紀に多く建設されたミーツカゼルネをベンヤミンもヘッセルも問題にした。彼らはこの劣悪な住まいが撤去されるべきだと、考え、ワイマール共和国時代に進められたジードルングの建設を高く評価した。ベンヤミンは子供たちにミーツカゼルネについて語りかけ、テンペルホーフのジードルングを肯定的に評価し、ヘッセルは自らミーツカゼルネを訪ねてその劣悪な環境を憤りをもって記し、ブルーノ・タウトが設計した馬蹄形ジードルングを訪れてその住環境を賞賛した。ヘッセルは若い建築家たちの試みと業績を賞賛し、力づけた。ミーツカゼルネを論ずるときベンヤミンもヘッセルもヘーゲマンの『石造りのベルリン』を利用している。しかしその評価は微妙に異なっている。ヘッセルは全面的な支持、ベンヤミンは距離を置いて賞賛している。ヘッセルやベンヤミンが賞賛したジードルングは、今目も建設当時と変わらぬ姿で残っており、住まわれている。
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