研究課題/領域番号 |
15520216
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
各国文学・文学論
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
四方田 千恵 (垂水 千恵) 横浜国立大学, 留学生センター, 教授 (70251775)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2003年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 台湾新文学 / 楊逵 / 社会主義リアリズム / 徳永直 / 貴司山治 / 日本プロレタリア文学 / 文学評論 / 文学案内 / モダニズム / カフェ / ナルプ / 大衆文学 / 呂赫若 |
研究概要 |
1930年代台湾文学における日本プロレタリア文学の影響について、主に台湾を代表する左翼作家である楊逵に注目して研究を行った。 まず、1935年10月の『台湾文芸』2巻2号に徳永直の「形象化について」という一文が掲載されていることを手がかりとし、何故楊逵は数あるプロレタリア作家の中から特に徳永と交友が深かったのか、という点について考察した。その結果、1934年の台湾文芸連盟の成立と日本プロレタリア作家同盟の解散はほぼ時期を同じくしており、その段階で影響力を持ち始めていたのが社会主義リアリズムを標榜した『文学評論』および徳永であったこと。そのパイプを通して台湾新文学運動の作家たちは社会主義リアリズムを受容し始めていた、ということが判明した。 しかし、1935年7月頃から楊逵は貴司山治および『文学案内』誌との関係を深めていく。何故、楊逵が最初に接近した『文学評論』および徳永から離れ、貴司に接近していくのか、といった過程を考察した結果、楊逵は一旦は受容したはずの社会主義リアリズムに対して、次第に批判的になっていること。さらにそれは楊逵の左翼理論の受容における主体性確立への軌跡と重なっていくことが判明した。 これらの研究結果を、「台湾文学国際研討会」(中央研究院中国文哲研究所主催)、「第四屆台湾文化国際学術研討論会-台湾思想與台湾主体性」(台湾師範大学台湾文化及語言文学研究所等主催)、the 57^<th>.Annual Meeting of the Association for Asian Studiesの各国際学会において発表した。
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